著者
東 禹彦 久米 昭廣 谷口 龍生 箕田 朋子 荻原 俊治
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4-5, pp.213-217, 2001 (Released:2010-08-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

ベンゾジアゼピン系薬物を長期連用している間に, 激しい痒みを生じ皮膚に掻爬痕を多発した症例を3例経験した。原因となった薬物はクロルヂアゼポキシドが2例, ジアゼパムが1例であった。3例ともこれら薬剤を中止することにより痒みは消失した。2例では再投与により激しい痒みが再現した。原因薬物がベンゾジアゼピン系薬物に限られ, 好酸球増加もなく, 発疹もなく掻爬痕のみなので, 癌痒の原因は中枢性の可能性もある。発疹を伴わない皮膚掻痒症型薬疹と診断した。ベンゾジアゼピン系薬物が連用される疾患は神経症や心気症, ヒステリーなどであることを考えると, 本剤による皮膚癌痒症は見逃されている可能性もあろう。