著者
篠原 広行 坂口 和也 橋本 雄幸
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.234-245, 2006-03-25 (Released:2017-10-27)

表計算ソフトウエアのExcelを用い1次元畳み込みの計算法を考案した。本研究で作成したプログラムは1周期のデータ数を32として離散化し畳み込みを行う。線形不変性システムの入力と応答関数を計測すれば,これらをExcelのワークシートに入力することによって出力の計算が可能である。計算機シミュレーションによる研究にも利用可能である。プログラムの使用にはExcelについて特別な知識を必要とせず,紙と鉛筆を用いた感覚で畳み込みの計算を行える。プログラムの信頼性は連続畳み込み(解析解)との比較によって検証した。また,プログラムによる畳み込みとExcelに組み込まれている高速フーリエ変換を用いた畳み込みとの比較を行い,両者が一致すること,すなわち"畳み込み定理"を確認した。作成したプログラムは畳み込みの数学的な基礎と実際の計算法の理解を支援し,線形システムの入出力の関係を解析する教育研究に役立つ。
著者
今江 禄一 中川 恵一 山下 英臣 芳賀 昭弘 篠原 広行
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では,体幹部放射線治療中の呼吸による標的の移動量を明らかにした上で,標的の呼吸性移動を考慮した回転型強度変調放射線治療を用いて体幹部定位放射線治療を実現した.また,治療中の対象内のCT画像を得ることが可能である本手技を用いて,放射線治療中の標的の位置検出と移動量の評価を行った.本研究の達成により放射線治療中の標的や臓器の位置が同定可能となり,治療中の投与線量や分布を再評価することが可能となった.