著者
篠崎 亮人 中島 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.96, no.598, pp.31-36, 1997-03-18
被引用文献数
1

情報社会の進展に伴い,セキュリティ向上の観点から個人の自動照合技術の重要性が高まっている.これまでに行われている個人照合の研究としては,顔や声など様々な特徴を用いた研究があるが,筆跡により個人の同定を行う筆者照合もその一つである.本論文では,枠内に一文字ずつ日本語で書かれた氏名を用いて,その筆者をオフライン照合する新たな手法について述べる.本手法では,個人性を表わす特徴量として,文字の概形を反映するPeripheral Histogramと文字の線成分の傾き及び長さを反映するSinogramを定義し,これを用いて筆者の照合を行う.本手法の有効性を検証するために被験者50人に対して照合実験を行ったところ,平均誤り率約4%という結果が得られた.