著者
和田 崇文 上久保 毅 中島 真人 阿部 俊昭
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.12, pp.755-759, 2001-12-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
20
被引用文献数
3 2

A 15-year-old boy with a neck injury transferred to our emergency room was alert and cooperative. During surgical closure of the wound, he vomited and became somnolent. A piece of brain tissue was found in vomit. Computed tomography (CT) showed pneumocephalus and a small hemorrhage in the left frontal lobe. Surgery undertaken found an irregular bone defect in the plamun sphenoidale and a dural laceration in the frontal base. The dura of the left frontal convexity was also lacerated. These findings suggested that an unknown foreign body penetrated the right lateral neck and the skull base through the nasopharynx, then reached up to the frontal bone. Postoperative course was uneventful. He witnessed later that he hit his neck on to an iron rod protruding from concrete blocks when he fell. He had known that this rod had penetrated his neck. Orbitocranial stab wounds may associate penetrating brain injuries, but it seems quite rare that a cervical stab wound complicated a penetrating brain injury. It should be stressed that physicians and paramedics must glean information about the modality of penetrating injuries.
著者
西浦 朋史 中島 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.1001-1010, 2006-05-01
参考文献数
9
被引用文献数
7

近年,入浴中の突然死が社会問題となっている.本論文では,浴槽内における溺水状態(浴室事故の大半を占める)と洗い場における転倒状態の両者を検出可能とするため,カラー撮像素子内臓型FG視覚センサを利用したバスルーム監視システムを提案する.このシステムは,先に提案したバスルーム監視システム(非接触呼吸モニタリング法に基づく浴槽内での呼吸停止検出機能を搭載)に,入浴者の洗い場での転倒検知,湯気の充満による視認性低下の検知の機能を追加したものとなっている.一般的なユニットバスに開発したシステムを適用した模擬実験を行い,機能追加の有意性を確認した.
著者
竹野内 紋子 中島 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.2402-2410, 1997-09-25
参考文献数
7
被引用文献数
1

本論文では, 3次元物体を多方向からコード化する2色格子投影法と, それによって得られる情報を用いて, 3次元物体を識別する手法を提案する. 本法は, 3次元物体にしま模様を投影し, それを2次元にコード化する手法であるところのグリッドコーディング法を発展させたものである. これはオクルージョンの低減を目的として提案されたものであり, 多方向から観察した物体の情報を, 投影格子に色情報を付加することによって同時取得可能としている点が特長である. 更に3次元物体の識別過程では, コード化画像のパワースペクトルが対象物体の3次元形状を反映したパターンとなることを利用し, それから物体の平面内での回転や平行移動の影響を受けにくい特徴量を抽出している. そして, 特徴量の微妙な変化へ対応するため, ニューラルネットワークの汎化機能を利用して識別を行っている. 識別に用いる際の問題点を考察するために単純な形状の被験体を用いた識別実験を行ったところ, 識別率で約95%なる結果を得ることができた.
著者
井上 泰夫 石川 直人 中島 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.626, pp.67-72, 2002-01-22
参考文献数
6
被引用文献数
6

近年の交通量増加に伴い, 交通事故の多発が深刻な社会問題となっている.交通事故の要因の多くは運転者の不注意によるものである.そこで本研究では, 運転者の不注意による事故防止を目的とし, 動画像処理による道路標識の自動検出・認識の新たな手法を提案する.本研究では, 標識の特徴となる部分に注目し, 標識以外の情報を画像上から除去することによって, 精度の良い標識検出を実現した.また高精度な標識検出・認識を保ちつつ, 計算コストを抑えることによりソフトウェアベースでのリアルタイム処理を実現した.
著者
篠崎 亮人 中島 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.96, no.598, pp.31-36, 1997-03-18
被引用文献数
1

情報社会の進展に伴い,セキュリティ向上の観点から個人の自動照合技術の重要性が高まっている.これまでに行われている個人照合の研究としては,顔や声など様々な特徴を用いた研究があるが,筆跡により個人の同定を行う筆者照合もその一つである.本論文では,枠内に一文字ずつ日本語で書かれた氏名を用いて,その筆者をオフライン照合する新たな手法について述べる.本手法では,個人性を表わす特徴量として,文字の概形を反映するPeripheral Histogramと文字の線成分の傾き及び長さを反映するSinogramを定義し,これを用いて筆者の照合を行う.本手法の有効性を検証するために被験者50人に対して照合実験を行ったところ,平均誤り率約4%という結果が得られた.
著者
竹村 安弘 多田羅 勝義 中島 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.10, pp.2152-2162, 2005-10-01
被引用文献数
6

筋ジストロフィー患者らの人工呼吸中の神経筋疾患患者における人工呼吸回路不全の早期発見を目的として, 呼吸運動モニタ装置を用いた異常検出方法を提案し, その有効性を検証した. 使用した呼吸運動モニタ装置は非接触の三次元視覚センサを応用したもので, 長期間のモニタリングが必要な患者の使用に適している. 異常状態のデータ取得は被検者に大きな負担をかけるため, 正常状態と異常状態の識別領域を形成するための十分なデータが取得できないことから, 判定時点直前の一定期間の状態の生起確率をそれ以前の確率分布から推測し, それが設定された誤報率を下回ったときに異常と判定する方法を考案し, 更に過去の状態に関係なく呼吸停止を判定する機能を組み合わせて検出漏れを防ぐ仕組みとした. 被検者7名による延べ12回の終夜呼吸運動波形測定データにおいて, 本方法による検出テストを行ったところ, 患者の呼吸状態に合わせて60秒から600秒で異常検出を行うとともに, 誤報は3回に抑えられた. これらの結果から, 本方法は人工呼吸回路不全の発見に有効であることが確認された.