著者
中島 周 安藤史郎 フィン ・トン・ハン 村上 和隆 篠﨑 雅英 黒澤 隆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.1371-1384, 1993-06-15
被引用文献数
3

本論文では、LANまたはISDNで接続されたパーソナルコンピュータを用いてマルチメディアのプレゼンテーションを行うシステム、リアルタイムプレゼンテーションシステム(RealTime Presentation system:RTP)について、その設計思想、各機能の実現方法、試行結果を述べる。RTPではオーバヘッドプロジェクタ(Over Head Projector:OHP)を使ったプレゼンテーションをモデルとし、そこで使われる各機能を分散環境で実現している。参加者はOHPシートに相当する複数枚のマルチメディアシートを共有し、ぺ一ジめくり、注釈付け、テレポインティング、新しいシートの作成を行うことができる。マルチメディアシートは、テキスト、イメージ、グラフィックス、音声を含み、プレゼンテーションの前に発表者によって準傭される。任意のアプリケーションのウィンドウイメージを取り込み共有するウィンドウコピーの機能を利用することにより、発表中にスキャナやビデオカメラから入力したイメージデータを利用することも可能である。相手の顔や表情をリアルタイムで確認するために、動画と音声を圧縮し、ISDN回線を通して伝送、再生する機能も提供している。さらに、動画と音声を自分や相手のマシンにデジタルで保存、再生することもできる。