- 著者
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籠島 恵介
- 出版者
- 特定非営利活動法人バードリサーチ
- 雑誌
- Bird Research
- 巻号頁・発行日
- vol.7, pp.S1-S4, 2011
沖縄本島において,メジロ <i>Zosterops japonica</i> が沖縄原産の植物ノアサガオ <i>Ipomoe indica</i> の花に対して盗蜜を行なうのを観察し,その盗蜜痕を撮影した.今までメジロによる盗蜜の記録のある花はすべて移入種であったのに対し,日本原産種に対して盗蜜が行なわれていたことは,メジロが沖縄島において,古くから盗蜜を行なってきた可能性を示す.また,同属で移入種のモミジヒルガオ <i>I. cairica</i> については,盗蜜行動の連続写真により,その詳細を記録した.ノアサガオへの盗蜜痕と思われるものは8回の調査のうち5回で観察され,323個の花のうち,最大被害率41.18%,平均被害率6.19%であった.モミジヒルガオでは,8回の調査のうち2回観察され,264個の花のうち,最大被害率31.03%,平均被害率5.68%であった.