著者
米原 典史 竹村 元秀 横瀬 敏志 小池 勇一 古山 昭
出版者
奥羽大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では神経因性疼痛の発症機序および治療方法を検討するため、神経因性疼痛を誘発する動物モデルを作成し、神経因性疼痛にたいする各種神経栄養因子(酸化型ガレクチン、血小板由来神経栄養因子(BDNF)、アルテミン)の効果を調べた。坐骨神経結紮により、結紮側(左側)で熱刺激に対する逃避時間の短縮(痛覚過敏)が生じた。結紮部位に神経栄養因子を塗布した群では、生理食塩水(生食)塗布群に比べ熱刺激に対する痛覚過敏の発症(逃避行動時間の短縮)が著しく遅延した。特に、酸化型ガレクチン塗布群では、結紮直後から28 日目にかけて結紮側の逃避行動の延長(鎮痛効果)が観察された。アルテミンおよび血小板由来神経栄養因子(BDNF)塗布群では、痛覚過敏は抑制されたが、酸化型ガレクチンとは異なり鎮痛効果は認められなかった。
著者
竹村 元秀 米原 典史 小林 真之 杉生 真一 森谷 正之
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

神経損傷ラットの情報伝達機構が大きく変化することが、神経因性疼痛発現の基礎にあることが明らかになった。ぺプチド性C線維を介したシグナリングが侵害刺激をよりシャープに上位中枢に送るが、非ぺプチド性C線維のシグナリングがそのぺプチド性C線維を抑制するといった制御に関わっている可能性を示すデーターを得た