著者
加藤 丈雄 土井 梅幸 米山 由紀子 杉本 勝之 中村 良
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.108-115, 1994-02-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
16
被引用文献数
4 4

発酵ソーセージなどの発酵肉製品を安全に製造するために,食肉及び食品加工品から低温発酵能を有する乳酸菌を分離し,スターターとしての適性と有害微生物の生育阻止について検討した.1) 市販牛肉より低温発酵能を有する乳酸菌Lactobacillus sp. SK-1001を分離した.2) Lactobacillus sp. SK-1001は発酵肉製品用スターターとしての基本的適性を有した.実験用のビーカーソーセージを用いて検討した結果, Lactobacillus sp. SK-1001は5℃及び10℃でソーセージを発酵できることが認められた.3) 低温発酵によって,ビーカーソーセージ中のS.aureus, E. coli, P. fluorescensは減少した.また, Lac-tobacillus sp. SK-1001の抗菌活性はその生産する乳酸と微量の酢酸によると推定された.4) 試作試験を行った結果, Lacbacillus sp. SK-1001は発酵ソーセージ及び発酵ハムの低温スターターとして使用できることが認められた.