著者
杉本 勝之
出版者
The Japanese Society of Applied Glycoscience
雑誌
澱粉科学 (ISSN:00215406)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.57-64, 1992-03-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
32
被引用文献数
3 3

Some experimental results on the utilization of starch in starchy food were explained in this paper. Physicochemical properties of Harusame noodles were affected by the characteristics of thestarch used as well as the method of preparation employed. Potato starch was used as the raw material of Boro and Ebi-Senbei (shrimp craker) because of soft and refreshing taste and higher heat expansion power, respectively. The texture of Mochi can be altered, depending upon the processing methods and some additions of waxy corn or tapioca starch. It was found that the addition of potato or tapioca starch could improve the texure of the noodles. The addition of β-amylase or carbohydrate to some kinds of starchy food effectively retarded the rate of starch retrogradation. The addition of about 5% waxy corn starch was able to repress syneresis of Curdlan gel.
著者
加藤 丈雄 土井 梅幸 米山 由紀子 杉本 勝之 中村 良
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.108-115, 1994-02-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
16
被引用文献数
4 4

発酵ソーセージなどの発酵肉製品を安全に製造するために,食肉及び食品加工品から低温発酵能を有する乳酸菌を分離し,スターターとしての適性と有害微生物の生育阻止について検討した.1) 市販牛肉より低温発酵能を有する乳酸菌Lactobacillus sp. SK-1001を分離した.2) Lactobacillus sp. SK-1001は発酵肉製品用スターターとしての基本的適性を有した.実験用のビーカーソーセージを用いて検討した結果, Lactobacillus sp. SK-1001は5℃及び10℃でソーセージを発酵できることが認められた.3) 低温発酵によって,ビーカーソーセージ中のS.aureus, E. coli, P. fluorescensは減少した.また, Lac-tobacillus sp. SK-1001の抗菌活性はその生産する乳酸と微量の酢酸によると推定された.4) 試作試験を行った結果, Lacbacillus sp. SK-1001は発酵ソーセージ及び発酵ハムの低温スターターとして使用できることが認められた.
著者
児島 雅博 村瀬 誠 戸谷 精一 杉本 勝之
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.471-476, 1992-06-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
19
被引用文献数
8 6

手延べ麺と機械麺のグルテンの組織構造の差異を走査型電子顕微鏡によって検討した.α-アミラーゼ処理によって,澱粉粒の一部を除去することで,乾麺のグルテン組織は容易に観察できた.(1) 手延べ麺表面では繊維状になったグルテン組織が延伸方向に配向し,澱粉粒の一部が,この繊維状のグルテンによって保持されていた.一方,縦断面では,グルテンの澱粉粒を覆っていたと思われる帯状の構造が認められた.(2) 機械麺表面では規則的な組織構造は認められなかった.縦断面では,グルテンは澱粉粒を包み込むような球面状の構造を呈していたが,延伸方向に対する配向性は認められなかった.(3) ゆで麺を同様に処理して観察した結果,ゆで処理によってグルテンは若干膨潤するものの,手延べ麺のグルテンの繊維性,配向性及び機械麺のグルテンの球面状構造が認められ,乾麺でのグルテンの組織構造はゆで後においても保持されていることが明らかになった.従って,麺の組織構造は乾麺をα-アミラーゼ処理して観察することが適当と考えられた.