著者
米田 安宏
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.91, no.12, pp.729-735, 2022-12-01 (Released:2022-12-01)
参考文献数
23

強誘電体はキャパシタ,メモリやセンサ材料など多岐にわたって利用されてきた.強誘電体材料の多くは複雑な組成の固溶体で構造は平均化される.特にリラクサ強誘電体などの擬立方晶構造の分極発現機構を明らかにするには従来型の周期的構造を仮定した平均構造解析だけでなく,局所構造解析を行わなければならない.2体相関分布関数法は粉末X線回折から動径分布関数を導出し,周期的構造を仮定せずに実空間でモデルフィッティングを行う局所構造解析法である.ビスマスフェライトとチタン酸バリウムの固溶体を例に強誘電体における局所構造解析の必要性について考察したい.