著者
吉川 諒 柿沼 太郎 小山 彩 入部 綱清 米盛 庄一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_175-I_180, 2015 (Released:2015-11-10)
参考文献数
13

MPS法に基づく断面2次元数値モデルを適用し,地すべりや山体崩壊に伴う津波の数値シミュレーションを行なった.崩落する流体の初期位置が等しい場合,崩落体の密度が大きいほど津波高さが大きくなるが,変形して扁平となった流体が水中に突入する場合には,津波高さがあまり大きくならない.また,崩落体が剛体である場合,崩落体の初期位置エネルギーが大きいほど津波高さが大きくなるが,前方に巻き込む波が形成された後,波の前面に大規模渦を伴う津波が伝播する場合,津波高さがあまり大きくならない.更に,岸付近の津波高さは,崩落体が,比重が1の流体である場合には,沖側静水深が浅い場合に大きくなるが,崩落体が,比重が1より大きな剛体である場合には,沖側静水深が深い場合に大きくなる.