- 著者
-
柿沼 太郎
- 出版者
- 公益社団法人 土木学会
- 雑誌
- 海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, pp.191-195, 2006-10-10 (Released:2010-06-04)
- 参考文献数
- 9
- 被引用文献数
-
3
津波形成過程の流体運動に着目し, 津波地震による地変をA~Gの七つの形式に分類した. 非線形浅水波モデルを適用して, A, B及びE形式の想定地変に伴う津波の数値解析を行なった. A形式の, 一定領域における継続時間の長い地変の場合, 底面の隆起速度が遅いと, 伝播によって津波高さが抑制される. B形式の, 場所を変えて起きる地変の場合, 伝播津波が, その下方に現れる底面隆起の発生時刻, 隆起速度, 隆起進展幅, 進展時間及び進展速度に依存して成長する. E形式の, 地滑りによる地変の場合, 海底滑動部の前面が急勾配のとき, 比較的高波高で短波長の津波が発生し, 緩勾配のとき, 発生した長波長の津波が, 伝播中に底面の上昇を経験する.