著者
石川 貴一 粕野 悠聖 高野 保真 佐久田 博司
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2019-HCI-182, no.2, pp.1-5, 2019-03-11

近年,フィットネスクラブやジムの利用者の増加にともなって,筋力トレーニングに注目が集まっている.さらに,IT 分野の急速な発展により,筋力トレーニングに IT 技術を取り入れるための様々な試みがなされている.そのような背景のもと,本研究は,マーカー型モーションキャプチャによって取得したユーザの動作を,VR ゴーグル内にアバタとして再現し,VR ゴーグルを装着した状態で筋力トレーニングした際のプロテウス効果について調査した.プロテウス効果は,仮想空間内のアバタの外観が,ユーザの心理的 ・ 身体的に影響するという現象である.今回は,男女 16 名の被験者を対象に筋肉量の異なる外観の二種類のアバタを用いて,筋力トレーニング時の疲労度に与える影響を調査した.主観的な疲労度をアンケートにより集計した結果,被験者を男性に限定すると,筋肉質のアバタを映した場合には疲労度が軽減されるということが分かった.