著者
小田 浩伸 北川 忠彦 糸永 和文
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1-12, 1991-06-30

精神薄弱養護学校小学部児童48名を対象に、坐位及び立位における姿勢の実態分析を行った結果、全児童の97.9%になんらかの歪みや不適切なパターンを持つことが明らかになった。そして歪みや不適切なパターンは年長になっていくほど顕著になっていく傾向があり、また行動に問題がある児童の姿勢は、特に歪みや不適切なパターンが顕著であった。そこで、17名の児童に姿勢指導として動作訓練を週3回、1回あたり5〜10分間のマンツーマン指導で適用した結果、顕著な姿勢改善及び改善された姿勢の定着がみられた。これは姿勢指導としての動作訓練の取り組みが、自己の統制から離れたものになっていた姿勢緊張を随意制御下におくことができるようになり、身体各部相互の関係の自己制御獲得に役立ったものと考えられる。また姿勢の改善に伴い行動の変化もみられたが、姿勢の制御過程における自分の身体への能動的働きかけが、主体的態度(構え)を形成し、行動の制御をもたらしたのではないかと考えられる。
著者
糸永 和文
出版者
大阪教育大学教育学部障害教育講座
雑誌
障害児教育研究紀要 (ISSN:03877671)
巻号頁・発行日
no.29, pp.9-19, 2006

大阪教育大学障害児教育学科の有志は、肢体不自由児を中心とする障害児に対する動作訓練キャンプは、昭和46(1971)年から平成3(1991)年までの間、年1回の6泊7日のキャンプを20年間続けた。20年間に305名のトレイニー(障害児)、348名のトレイナー(274名の大阪教育大学の学生と74名の現職教員)がこのキャンプに参加した。キャンプの後のアフターケアとして、月に2回、日曜日の昼から夕刻にかけて行った月例会は20年間で460回であった。実施したキャンプと月例会の実践は、参加したすべての脳性マヒ児やその他の障害児達に極めて有用な効果をもたらした。こういった実践の中で大阪において障害児の訓練が出来る人材を多く育成してきた。Volunteers of spetial Edukation course in Osaka Kyoiku University established Dosakunrenn (Motor-action trainingu) camp from 1971 to 1991. The numbers of camp were 20 times in 20 years. 305 children of physically handicaped children (trainee) and 348 trainer (274 students of Osaka Kyoiku University and 74 teachers of the school for handicaped children) perticipated the camp. After the camp, follow-up session twice a month enforceded in 20 years and total numbers of follow-up session were 460 tines. Camp and follow-up session made remarkable fruits on cerebrel palsied children and other handicapped children. These program educated many trainers dealing with handicapped children in Osaka.