著者
佐山 宏一 宮崎 利久 細田 泰雄 野間 重孝
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.157-160, 1991

明らかな心疾患, QT延長なしにTorsades de pointes (TdP)が誘発された2症例を報告する. いずれも動悸あるいは失神発作を主訴とする中年女性で, 心電図記録上心室性期外収縮の多発ないし非持続性心室頻拍の出現を認めた. 血清K値およびMg値は正常であった. 症例1では右室2連発早期刺激によりTdPが再現性をもって誘発され, 症例2ではisoproterenol点滴静注時の右室頻回刺激によりTdPが誘発された. いずれの例でも, プログラム電気刺激検査をガイドとして選択した抗不整脈薬の投与により, 自他覚所見の改善を認めた. しかし, このような症例において電気刺激により誘発されるTdPの臨床的意義, 予後に及ぼす影響, さらには抗不整脈薬治療の是非に関する知見は乏しく, 現時点では不明といわざるを得ない.

1 0 0 0 OA 2. Crohn病

著者
日比 紀文 岩男 泰 細田 泰雄 渡辺 守 土屋 雅春
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.82, no.5, pp.663-668, 1993-05-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5
被引用文献数
1

Crohn病の病因はいまだ不明で,遺伝的素因,感染,食事因子,血流障害,免疫学的異常といった観点から研究がなされてきた.特に,単球・マクロファージ系細胞の機能異常および管腔より侵入した外来抗原に対する免疫反応の異常が,肉芽腫や潰瘍,瘻孔などの病変を形成するという考えが有力となっている.初期治療として栄養療法が有用であるが,再燃や進展を防ぐには,免疫学的異常をふまえた適切な免疫統御療法が必要となる.