著者
細田 真一 瀬田 史彦
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.18-27, 2017-04-25 (Released:2017-04-25)
参考文献数
34

本論文は柏市中心市街地において、民間主体により道路区域内広場の整備及び維持管理が実施された事例に対して、文献調査及びヒアリング調査によって、その整備から維持管理までの過程を明らかにし、成功要因を探るとともに民間主体によってどの程度計画の自由度が高まり、魅力的な公共空間の創造に繋がったかを検証するものである。成功要因としては、商店街連合代表理事のリーダーシップ、地元専門家を中心とした整備及び維持管理の体制づくり、行政内の第三者的立場のセクションの参画等が資金調達、行政協議の推進に大きく影響したことが明らかになった。民間主体によるメリットとしては公費が削減されたこと、計画内容に対する利用者の評価が概ね高いものであったことが明らかになった。またその一方で、整備段階における資金調達や民間同士の協議の不調等が課題として残った。今後は新たに設立されたエリアマネジメント組織による状況改善が望まれる。