著者
藤 洋美 德重 智絵美 惠良 文義 樋口 尚子 結城 万紀子 梶原 希望 大場 ちなみ 嶋田 裕史
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.685-690, 2021-10-25 (Released:2021-10-25)
参考文献数
9

選択培地のみでMethicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)の判定を行う目的で,ブドウ球菌選択培地5種類についてStaphylococcus aureusの検出性能を検討し,MRSAスクリーニング培地7種類については,各培地のMRSA検出性能を薬剤感受性試験と比較した。検証にはMRSA 28株,Methicillin-susceptible Staphylococcus aureus(MSSA)17株,S. aureus以外のブドウ球菌(non-S. aureus)15株の計60株を使用した。その結果,ブドウ球菌選択培地のS. aureusの検出感度は91%~100%,特異度は87%~100%であり,MRSAスクリーニング培地のMRSA陽性的中率は90%~100%,陰性的中率は94%~100%であった。培地によるS. aureusおよびMRSAの判定を行う場合は,その培地の特性を理解して検査を進めることが重要であると考えられた。