著者
網本 昭輝
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.666-668, 1987

上顎のくちばしを根元から喪失したセキセイインコに, 人工くちばしを応用し, 好結果を得た. 患鳥は元気食欲がなく, 補助給餌や強制給餌を行ったが6日経ってもまったく自分で採食できなかった. そこで, アクリル板で人工くちばしを作製し装着したところ, その直後から少しずつ採食できるようになった. しかし, 13日目でそのくちばしは脱落し再び採食ができなくなり, 2回目の人工くちばし (歯科用レジン歯で作製) を装着した. 2回目の人工くちばしはその後7日で脱落したが, その時には上顎のくちばしがわずかに伸長して少し採食できるようになっていたので, その後は補助給餌を行っただけで順調な回復がみられた. 人工くちばしの装着は, くちばしを喪失したセキセイインコに対して有効な治療法の一つであると思われるので, その概要を報告する.
著者
大成 衷子 小川 祐生 八村 寿恵 山木 誠也 鐘ヶ江 晋也 網本 昭輝
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.189-192, 2018

<p>ウサギの不正咬合では,臼歯の棘の切削処置のために頻回の麻酔が必要となる個体があり,頻回麻酔の影響が懸念されている.今回,当院で歯科処置のために1個体当たり39~103回の頻回の麻酔を実施したウサギ11例について,麻酔回数及び年齢に対する回復時間について検討を行った(頻回麻酔群).また,頻回麻酔群に含まれない同様の歯科処置を行ったウサギ67例について,初回麻酔時に同様の項目について調査を行った(コントロール群).頻回麻酔群では,麻酔回数と回復時間に相関がほとんどなかった.一方,加齢に伴い回復時間が有意に延長し,コントロール群でも同様の結果が得られた.両群の同じ年齢区分の比較で有意差はなかった.したがって,歯科処置などの侵襲の少なく,短時間の麻酔では頻回麻酔の影響よりも,加齢に伴う影響の方が大きいと推察された.</p>
著者
小川 祐生 山木 誠也 鐘ヶ江 晋也 杉本 大輝 八村 寿恵 網本 昭輝
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.71, no.12, pp.713-718, 2018-12-20 (Released:2019-01-20)
参考文献数
12

今回,われわれは犬の歯科X線検査における二等分面法の新たなX線入射角度決定法を考案した.この方法では,フィルム面の口腔外への延長線と撮影対象歯の歯軸で成す角を二等分する角度でX線を照射する.この新しい方法と従来から用いられてきた基本的な方法,及び近年提案された別の方法の3つの方法を用いて,頭蓋及び模擬フィルムで作成したモデルにおける入射角度決定の検証を実施した.作業開始から入射角度決定までの時間を簡易性,得られた入射角度による画像長変化率を正確性,及びそのばらつきを精度の指標とし,それぞれの初回実施時の傾向及び習熟の関与について比較検証を行った.われわれの考案した方法は角度決定時間が最も短く,得られた角度は他法と同等で,ばらつきも少なかった.このことから初心者にも理解のしやすく応用しやすい方法と考えられた.