著者
緒方 啓孝 小山 嘉紀 岡部 一光 小宮山 哲 張 英恩 藤野 猛士 横田 一正
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 = Journal of the Japan Information-culture Society (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.68-73, 2011-12-13
参考文献数
23

様々な業種において,笑いや笑顔が重要であるとされている。特に介護施設では,職員の笑顔による環境の改善が望まれている。しかし,笑顔を客観的に容易に評価する一般的手法がないため,笑顔を身に付けるための効果的な教育や指導,訓練等を行うことが難しいという問題がある。笑顔の客観的評価の一手法として,画像処理技術を用いた方法があるが,感情の表出の一つである笑顔をICTにより判定を強制することへは批判も見られる。本研究では,介護施設の職員を対象としてICTを利用した笑顔判定を行い,実際に判定を受けた職員に対して意識調査を実施した。特定施設入居者生活介護事業や訪問介護事業所等,それぞれ異なる介護サービスを提供する6事業所の職員を対象に,笑顔判定の実験および質問紙調査を実施した。質問紙調査の結果に対して因子分析・テキストマイニング分析を行った。その結果,笑顔に対して興味・関心を持ち,笑顔への自信や意識の向上,笑顔への興味・関心の向上が確認できた。また,ICTを用いた笑顔判定を職員は楽しみながら行ったことが分かった。