著者
久保田 恵 井上 里加子 石井 裕 佐藤 洋一郎 横田 一正 岡野 智博 備前市役所食の人財プロジェクト
出版者
岡山県立大学保健福祉学部
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.13-25, 2015

本研究の目的は、地域連携協働事業における学生への教育効果と地域貢献事業としての評価をすることである。岡山県立大学では自治体やNPO 等と連携したアクティブラーニングを通じて地域志向を有した専門性の高い学生の育成を目指している。本事業では、備前市において食を通じて市民の健康づくりや食育の推進、また食に関連したなりわいを通して地域の活性化やまちづくりに取り組む市民を取材し、備前市民に発掘した地元の人財を紹介する冊子を作成し、備前市の健康増進・食育の推進に寄与することを目的に実践学修を行った。学習後のレポートやアンケートから到達目標とした地域志向を高めることや基礎的学士力の向上を認識する学生が多くを占めた。また、地域貢献事業として評価するため、参加自治体の職員や取材対象の市民への調査を行った結果、市民への役立ちに加え、参加職員や取材対象者自身の仕事や活動にとっても役に立ったとのアンケート結果が得られた。 以上から、本取り組みは学生への教育目標「地域志向を高める」に沿った成果や協働自治体において本活動の貢献が認められたことから、今後の継続が期待される。The present study aimed to assess the educational effects of "collaborative projects for the promotion of regional cooperation" on students and their contribution to the community. Okayama Prefectural University implements an active-learning program(to provide opportunities for practical learning)in collaboration with local governments and NPOs to train community-oriented students with expertise The project, or practical learning program, was conducted in Bizen City to : promote the health of its citizens and activities for dietary education, interview the citizens involved in the revitalization and development of the community through food-related activities, introduce skilled and competent people to the public, and contribute to the promotion of health and dietary education in the city. According to the reports submitted by students and the results of a questionnaire conducted following the completion of the program, the majority of them became more community-oriented-a learning goal, and there was an increase in their awareness of the importance of improving basic learning skills. Furthermore, a questionnaire survey involving the staff of participating local governments and citizens interviewed was also conducted to assess the program as a community contribution project. According to the results of the questionnaire, the project was not only helpful for the citizens, but it also contributed to the work and other activities of the staff of participating local governments and citizens interviewed. The project yielded results that are consistent with the educational goal : "increasing the community-oriented minds of students", and collaborative local government positively assessed the contribution of the project. Therefore, the continuation of the project is of significance.
著者
横田 一正 劉 渤江
出版者
岡山県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

実空間を歩行するとき、仮想空間の情報を付加することにより、より豊かな体験をすることができる。本研究では、2つの空間の融合モデルを提案し、電子ペーパー等を考慮した携帯機器を使用したプロトタイプシステムを開発し、その有効性を確かめた。
著者
東条 敏 Stephen Wong 新田 克己 横田 一正
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.51-60, 1995-01-15
参考文献数
23
被引用文献数
6

法的推論の研究は、人工知能の研究者にとっても司法の現場からも魅力的な話題であるが、法令文の解釈は常に背後条件や周囲条件に依存するため、その形式化を困難にしている.。本稿の目的は、法的推論のしくみを状況理論の観点から整理し、形式化することである。状況理論は、述語論理のみによる記述系に対して、以下の点で有利である。第一に、状況はそれに対応するルールとファクトの集合を定義できるため、モジュールの概念を用いて計算機上に実装が可能であり、モジュール間の集合演算や継承などを実現できる。第二に、いろいろな状況依存に関わる現象が同じ状況推論のルールの形に書くことができるため、法の適用範囲、背後条件、判例などが、一様な記述系で表現できる。本稿では、ひとつの判例を状況と見立て、その中だけで局所的に成り立つ判例に依存したルール、判例を一般化した状況で成り立つルール、普遍的な状況で成り立つ法令文ルールを区別する。これらルールを薪事件に対応させるため、ルールの中の個体名や変数を新しい個体名に書き替え、ルールの連鎖により新たな法的判断を求めることができるモデルを示す。また、新事件と過去の判例との類似性判断についても、状況理論的に形式化する。この枠組は灼知識べ一スシステムQuixoteを用いて実験的に実装されており、実際の判例を用いて推論のしくみの例を紹介する。
著者
緒方 啓孝 小山 嘉紀 岡部 一光 小宮山 哲 張 英恩 藤野 猛士 横田 一正
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 = Journal of the Japan Information-culture Society (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.68-73, 2011-12-13
参考文献数
23

様々な業種において,笑いや笑顔が重要であるとされている。特に介護施設では,職員の笑顔による環境の改善が望まれている。しかし,笑顔を客観的に容易に評価する一般的手法がないため,笑顔を身に付けるための効果的な教育や指導,訓練等を行うことが難しいという問題がある。笑顔の客観的評価の一手法として,画像処理技術を用いた方法があるが,感情の表出の一つである笑顔をICTにより判定を強制することへは批判も見られる。本研究では,介護施設の職員を対象としてICTを利用した笑顔判定を行い,実際に判定を受けた職員に対して意識調査を実施した。特定施設入居者生活介護事業や訪問介護事業所等,それぞれ異なる介護サービスを提供する6事業所の職員を対象に,笑顔判定の実験および質問紙調査を実施した。質問紙調査の結果に対して因子分析・テキストマイニング分析を行った。その結果,笑顔に対して興味・関心を持ち,笑顔への自信や意識の向上,笑顔への興味・関心の向上が確認できた。また,ICTを用いた笑顔判定を職員は楽しみながら行ったことが分かった。