著者
織田 信男 山口 浩 伊藤 拓 山本 眞利子
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

平成29年度は、スーパーヴァイジー(Svee)2名に対して平成28年10月より開始した第2期1年目のスーパーヴィジョン(SV)を2年目の平成29年4月から11月まで継続して実施した。その後、第3期のSveeを募集したが応募者は1人であり、12月から3月までは1人のSveeに対してマッチングを考慮の上でスーパーヴァイザー(Svor)を選定し、SVを実施した。研究の手続きは、平成27年度を踏襲し、SVを対面・電子メール・スカイプの3つのコミュニケーションメディア(CM)を用いて順番に実施した。3人の異なるオリエンテーションを持つSvorと同一のSveeへのアンケートデータをもとに、メールSVによる事例困難度の得点について3(Svor A・Svor B・Svor C)×2(事前・事後)の分散分析を行った。結果は時間の主効果のみが認められた(F(1,10)=5.65, p<.05)。メールSVは対面SVやSkype SVに比べてSveeによるSVの評価が低くなる傾向があるが、Svorによる評価を上げるための工夫がアンケート結果から確認された。具体的には、Sveeのニーズに応えるためにSveeにフィードバックを求めるといったメールのやりとり回数の増加、複数の視点をまとめて返す形式からSveeのケース報告資料にSvorのコメントを書き込む形式への変更、平均8つのケース(全てのケース)に短いコメントを返す形式から一つのケースに絞って返事をまとめて返す形式への変更等が認められた。これらの研究知見を第28回日本ブリーフサイコセラピー学会京都大会で発表する予定(投稿済み)。