著者
織田 信男 山口 浩 伊藤 拓 山本 眞利子
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

平成29年度は、スーパーヴァイジー(Svee)2名に対して平成28年10月より開始した第2期1年目のスーパーヴィジョン(SV)を2年目の平成29年4月から11月まで継続して実施した。その後、第3期のSveeを募集したが応募者は1人であり、12月から3月までは1人のSveeに対してマッチングを考慮の上でスーパーヴァイザー(Svor)を選定し、SVを実施した。研究の手続きは、平成27年度を踏襲し、SVを対面・電子メール・スカイプの3つのコミュニケーションメディア(CM)を用いて順番に実施した。3人の異なるオリエンテーションを持つSvorと同一のSveeへのアンケートデータをもとに、メールSVによる事例困難度の得点について3(Svor A・Svor B・Svor C)×2(事前・事後)の分散分析を行った。結果は時間の主効果のみが認められた(F(1,10)=5.65, p<.05)。メールSVは対面SVやSkype SVに比べてSveeによるSVの評価が低くなる傾向があるが、Svorによる評価を上げるための工夫がアンケート結果から確認された。具体的には、Sveeのニーズに応えるためにSveeにフィードバックを求めるといったメールのやりとり回数の増加、複数の視点をまとめて返す形式からSveeのケース報告資料にSvorのコメントを書き込む形式への変更、平均8つのケース(全てのケース)に短いコメントを返す形式から一つのケースに絞って返事をまとめて返す形式への変更等が認められた。これらの研究知見を第28回日本ブリーフサイコセラピー学会京都大会で発表する予定(投稿済み)。
著者
山口 浩一 林 輝美 諸岡 成徳 高畠 豊
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.25, no.11, pp.1294-1300, 1993-11-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
12

心エコー図,心音図を施行した3,255例を対象とし楽音様雑音(M雑音)を呈した93例について,心障害の形態,雑音の性質,音源の検索を行い,心疾患別の頻度を求めた.出現時相は83%(77/93)が収縮期にあり,従来まれとされる拡張早期雑音は8例に認めた.音源は,大動脈弁由来43例のうち31例(72%)が弁石灰化で, その他疣贅, 術後変化, 弁逸脱であり,僧帽弁由来26例中17例(65%)が弁の逸脱, その他弁輪石灰化, 疣贅, 術後変化, 弁輪拡大であった.三尖弁由来10例中1例は弁石灰化で,2次性閉鎖不全5例,ペーシングリードによるもの4例で,肺動脈弁由来は1例のみであった.M雑音の持続の長い(>100msec) 群と短い群(<100sec)に分けると, 長い群の周波数は205.4±46.4H zで短い群の266.3±58.2Hzより低値であった.M雑音の頻度は,全体で2.9%(93/3255)で,主な心疾患では,大動脈弁狭窄症14.3%(6/42),大動脈弁閉鎖不全症8.7%(14/161),大動脈弁石灰化例5.0%(16/320),僧帽弁閉鎖不全症6.3%(19/301),連合弁膜症3.1%(3/97)で,僧帽弁狭窄症は1例も認めなかった.先天性心疾患は,心室中隔欠損症の4.7%(2/43)のみで,その他,肥大型心筋症5.1%(6/117),ペースメーカー植え込み例10.5% (4/38)であった.M雑音は症例頻度が少ないため,これまで臨床的,統計的な検討がほとんど行われていない.今回,多数例を対象としM雑音を認めた全症例にわたって詳細に検討し,上記の結果を得た.
著者
歌川 貴昭 湯野 哲司 橋本 忠司 山口 浩貴 増田 恵太 喜多野 章夫 生野 公貴 庄本 康治
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.347-354, 2020 (Released:2020-06-20)
参考文献数
27

〔目的〕訪問リハビリテーション利用者に対して,神経筋電気刺激(NMES)を用いたホームエクササイズが継続的に実施可能であるか,身体への影響も含めて調査することとした.〔対象と方法〕訪問リハビリテーション(訪問リハ)利用者9名に対して,NMESを両側大腿四頭筋に8週間実施した.実施率,膝伸展最大随意収縮(MVC)トルク,大腿前面筋厚,下肢筋肉量,歩行速度について評価した.〔結果〕実施率は85.3 ± 16.4%であった.8週間の介入実施前後で,障害側の膝伸展MVCトルクのみ有意に改善を示した(0.9 ± 0.4から1.1 ± 0.5 Nm/kg,p<0.05).〔結語〕NMESを用いたホームエクササイズは訪問リハ利用者のホームエクササイズとして継続的に実施可能であり,障害側の膝伸展MVCトルクを改善する可能性を示したが,一般化にはさらなる検討が必要である.
著者
道山 晶子 藤井 暁彦 山田 京平 梅田 智樹 高田 順司 内川 純一 細田 誠也 山口 浩 松山 幸彦
出版者
日本プランクトン学会
雑誌
日本プランクトン学会報 (ISSN:03878961)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.83-92, 2022-08-25 (Released:2022-09-17)
参考文献数
34

In Ariake Bay, catches of the manila clam Ruditapes philippinarum have decreased considerably due to the low rate of larval return to adult habitats, shrinkage of larval networks among each local population, and shortening of the occurrence period of larvae. In this study, we examined the seasonal and annual occurrence trends of planktonic clam larvae and the environmental factors related to the quantity of larvae based on surveys conducted in the Ariake Sea between 2015 and 2018. In the Ariake Sea, emergence peaks with population densities of more than 1,000 m−3 individuals occurred during the spring and fall spawning seasons. In spring, the peak onset often occurred between late April and May, but trends also varied from year to year. In autumn, the peak period was observed at approximately the same time every year, from mid-October to November. The peak emergence of plankton larvae was thought to be related to water temperature.
著者
山口 浩和 猪俣 雄太 伊藤 崇之
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第130回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.416, 2019-05-27 (Released:2019-05-13)

ショックレスハンマーは打撃時の反動が少なく、また打撃力を効果的に伝達する特性から、クサビ打ち作業における作業者への身体的負担の低減と作業能率の向上が期待される。そこで、一般的に伐倒作業時に用いられているヨキと、ほぼ同じ長さのショックレスハンマーを用いて、クサビ打ち作業を模した打撃試験を行い、それぞれの器具の作業者への衝撃緩和効果と打ち込み効率を比較した。その結果、それぞれの道具を使って同じ仕事をした時に手元に伝わる振動加速度は、ヨキの方がショックレスハンマーよりも1.4倍程度大きく、持ち手が受ける反力は2倍程度大きかった。一方、同じ仕事をした時に加えた運動エネルギーの大きさは、ヨキの方がショックレスハンマーよりも1.7倍程度大きかった。これらの結果から、クサビ打ち込み作業において作業者がショックレスハンマーを使用することにより、腕への衝撃を和らげつつ、打ち込み回数を減少させることができる可能性があることが明らかとなった。
著者
山口 浩行
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.45-55, 2000-06-10

心中に失敗した女給高野さちよの再生譚「火の鳥」(昭14・5)には、黒色テロリスト須々木乙彦が登場する。彼の造型には、昭和十年の無政府共産党事件だけではなく、大正末期のギロチン社事件の影響も想定できる。彼の敗北とさちよの廃残は、皮相的で享楽的な時代状況において交叉している。「火の鳥」はさちよの再生譚という擬態をとりながら、古い道徳が滅亡する地点を超克する新しい「精神の女人」を創造する試みであった。
著者
長澤 祐季 中川 量晴 吉見 佳那子 玉井 斗萌 吉澤 彰 山口 浩平 原 豪志 中根 綾子 戸原 玄
雑誌
一般社団法人日本老年歯科医学会 第31回学術大会
巻号頁・発行日
2020-09-30

【目的】加齢や嚥下障害により,医薬品の服用や食事にとろみ調整食品(以下とろみ剤)を用いることは少なくない。先行研究により,とろみ剤が薬効を減弱させる可能性や,キサンタンガムを含有する濃厚流動食品が,含有しないものと比較して血糖値の上昇を抑制する可能性が報告されている。しかしながら,とろみ剤が栄養の吸収にどのような影響を及ぼすかについては,不明な点が多い。そこで今回,ラットの発育と飼料形態の関連性を検証するために,基礎的研究を実施した。【方法】4週齢雄性SDラットを4〜5匹ずつ4群に分け,液体飼料(C社製),0.5,1,1.5%とろみ調整飼料(液体飼料にとろみ剤・N社製を添加)を用いて,3週間飼育した(A群:液体飼料,B群:0.5%とろみ飼料,C群:1%とろみ飼料,D群:1.5%とろみ飼料)。餌は100kcal/日に揃えすべて経口摂取させ,水は自由摂取とした。液体飼料ととろみ調整飼料の摂取開始翌日をx日として体重を経時的に測定し,体重増加割合(%)を用いて飼育期間中の発育状況の変化を評価した。実験終了時に解剖し肝,腎,精巣上体脂肪重量の測定と血液生化学的検査を行い,体重増加割合(%)とともに各群間で相違があるか統計学的に検討した。【結果と考察】x+7,x+14,x+21日目における体重増加率はA群と比較してD群で低値な傾向を示した。また腎臓重量はA群と比較してD群で有意に低値となり,肝臓,精巣上体脂肪重量は各群間で相異を認めなかった。血液生化学検査では,TG(mg/dL)がA群と比較してC,D群で有意に低値を示した。本研究結果より,液体飼料と比較してとろみ剤を添加した飼料は体重増加および腎臓重量の増加を制限する可能性があり,脂質代謝の状態を反映している血中TG濃度を有意に低下させることが明らかとなった。これはショ糖食投与ラットに対するグアガム-キサンタンガム混合物の血中脂質低下効果の報告と同様の結果である。とろみ剤が含有するキサンタンガムは高粘性の難消化性多糖類であり,腸管上粘質性糖タンパク質と混ざり合い被拡散水層の厚さを増すことが吸収阻害の要因の一つと考えられる。また今回与えた液体飼料は25kcalが脂質であり脂質の吸収抑制により総カロリー数が減少し体重増加率の減少が起こったと示唆される。(COI開示:なし)(東京医科歯科大学動物実験委員会承認 A2019-270A)
著者
勅使河原 彩織 茂木 義輝 阿部 真也 松井 洸 山口 浩 吉町 昌子 野村 和彦 富澤 明子 成井 浩二
出版者
一般社団法人 日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.61-71, 2021-08-31 (Released:2021-09-25)
参考文献数
6

Objective: There have been reports of health hazards caused by medical devices, cosmetics, quasi-drugs, daily necessities, hygiene products, etc. (health-related products) sold in pharmacies and drugstores. However, the role pharmacists play in dealing with the health hazards caused by health-related products has not been clarified. Therefore, we conducted a survey on the cases of health hazards related to health-related products and the views of pharmacists.Methods: A questionnaire was administered anonymously by email to 601 pharmacists working in community pharmacies or drugstores between December 11 and 20, 2019.Results: The number of valid responses was 585. The breakdown of health hazard cases where pharmacists counseled customers were 60 for medical devices, 31 for cosmetics, 18 for quasi-drugs, 9 for hygiene products, and 20 for daily necessities and others. Of those 138 cases, 19 cases of medical devices were estimated to have an intermediate risk as a health hazard, and the other 119 cases were all classified as low. Of the cases that the pharmacists were not approached for help, but were aware of, 57 were medical devices (21 high, 31 intermediate, 5 low), 44 were cosmetics (12 intermediate, 32 low), 12 were quasi-drugs (7 intermediate, 5 low), 7 were hygiene products (7 low), and 64 were daily necessities and others (26 high, 34 intermediate, 4 low). With regard to health-related products, 95% of the respondents indicated that they had responded to customer questions with advice.Conclusion: Our results show that there are various cases that could develop into health hazards due to health-related products, and most respondents felt a need to alert the public. As such, pharmacists and other staffs in drugstores will continue to provide health support functions to their customers by advising them on not only pharmaceuticals but also these health-related products.
著者
伊勢 孝之 高木 恵理 岩瀬 俊 楠瀬 賢也 山口 浩司 八木 秀介 山田 博胤 添木 武 若槻 哲三 佐田 政隆
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.6, pp.1175-1179, 2015-06-10 (Released:2016-06-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1

心臓サルコイドーシスの標準的治療はステロイドであるが,ステロイドを投与中であっても再燃を認めることも多く,またステロイドの多岐にわたる副作用も問題となることが多い.症例は70歳代,女性.心臓サルコイドーシスの診断でプレドニンを維持量5 mg/日で加療されていた.定期検査で施行した心電図で陰性T波,前壁心尖部に新規の左室壁運動異常を認めた.FDG-PET,Gaシンチグラフィーで壁運動異常部位に一致して集積を認め,心臓サルコイドーシスの再燃と判断した.本症例では,ステロイドの副作用として糖尿病,肥満,白内障などを認めており,ステロイド増量が躊躇され,メトトレキサートの併用を開始した.メトトレキサート開始後,特に副作用を認めず,心電図ならびに左室壁運動異常の改善が認められた.ステロイド投与で再燃を認める心臓サルコイドーシス症例にはメトトレキサート併用も考慮すべきであると考えられた.
著者
毛綱 昌弘 山口 浩和 佐々木 達也 岡 勝
出版者
森林利用学会
雑誌
森林利用学会誌 (ISSN:13423134)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.135-140, 2008-12-15

フォワーダ等による作業路を用いた集材方法が普及し始めているが,作業路の総延長距離が伸びるに従い作業能率の低下が問題となっている。この問題を解決する方法として,作業路上を走行している有人の車両の後ろを無人で走行可能な車両が追従して走行することにより,複数台の車両を一人で運転して作業能率を向上させる方法を考案した。本報告では,制御を行うために必要となるセンサを試作し,実験用車両を用いて走行実験を行い,制御結果に影響を与える因子について検討を行った。実験の結果,有人の車両後部に超音波を発するスピーカ,無人の車両前部にマイクをそれぞれ二個ずつ装備することにより,追従走行制御が可能であった。先行する車両と追従する車両の車間距離を大きく設定すると,曲線走行時には内回りが大きくなる一方,車間距離を小さく設定すると,走行速度が大きくなると制御が不安定になるため,車間距離の設定が重要であった。また,作業路の幅員は直線であれば車幅の1.4倍程度でも走行可能であるが,曲線部では1.6倍まで拡幅しなければならないことが確認できた。
著者
松岡 和生 山口 浩 川原 正広 松田 英子
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

直観像と共感覚はともに、眼前には存在しない対象物や風景、色彩やパタンといった視覚像(Photism)が外部空間にありありと「見える」という特異な視知覚性イメージをともなう現象である。本研究はこうした直観像と共感覚のPhotismの感覚的鮮明性と外部投射性に関わる知覚情報処理について脳機能画像法、視線活動計測、認知行動実験を用いて検討し、その特異性を示す科学的エビデンスを提供する。また直観像・共感覚保有者の視空間イメージ表象能力をアファンタジアからハイパーファンタジアに至るスペクトラムの一方の極に位置づける「認知―神経機構モデル」の構築を試みる。
著者
中田 知沙 猪俣 雄太 上村 巧 山口 浩和
出版者
森林利用学会
雑誌
森林利用学会誌 (ISSN:13423134)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.38.29, 2023-01-31 (Released:2023-03-19)
参考文献数
9

本研究はチェーンソーの水平把持に着目し,その精度の現状を把握することを目的とした。また把持高さと地面傾斜による影響を調査した。ガイドバーの長手方向の傾きのズレは,被験者の4割が2°以上で,かかり木や隣接木接触等による労働災害につながる可能性のある水平把持精度であることが分かった。被験者のうち初心者は刃先が下がりやすく,経験者は刃先が上がりやすい傾向が見られた。また,把持高さによる差は見られなかった。グループ間の技能の顕著な差はないと判断できたことから同じ母集団として地面傾斜やチェーンソーの把持姿勢,スロットル操作の指の違いによる影響を調べた。傾斜0°と10°ではガイドバーの傾きが有意に高く,チェーンソーの把持姿勢とスロットル操作の指の違いによる有意差は見られなかった。まずは安全な平坦地で訓練を行うことで,傾斜地でも水平を維持できるようになることが期待された。
著者
田中 武志 山口 浩一 井上 和興 孫 大輔 孝田 雅彦 谷口 晋一
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.102-105, 2022-09-20 (Released:2022-09-23)
参考文献数
4
被引用文献数
1

鳥取県日野郡の医療福祉従事者の意見を反映し,画像情報を中心とした情報共有アプリケーション「パッと見えNet」を開発した.以前構築したトップダウン型のシステムに比べて,文字情報を省略・簡略化する事で作業負担が減少し,利用機関数,システム利用者数,登録件数などが増加した.そして,医療福祉従事者間で双方向性の情報共有が活発となった.
著者
山口 浩史 栗田 麻希 吉永 遼平 淺尾 靖仁 岡 美智子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.154, no.5, pp.259-264, 2019 (Released:2019-11-15)
参考文献数
19

慢性前立腺炎は泌尿器科領域ではもっとも一般的な疾患のひとつである.下腹部や会陰部の慢性的な痛みおよび不快感によりQOLが著しく損なわれる疾患であるが,確立された診断方法はなく,治療に難渋する患者も多いことから,新たな治療薬の開発が求められている.薬物評価を行う目的で,様々な急性および慢性の動物モデルが報告されてきたが,ヒトの病態との相関やモデルとしての妥当性に関しては十分な考察がされてこなかった.そこで,我々は今回,慢性モデルとして報告されている自己免疫性(EAP)モデルとホルモン誘発性(HCP)モデルを用い,慢性前立腺炎の特徴である疼痛および前立腺の炎症に関して評価を行った.Von Frey法により下腹部を刺激し疼痛様行動を評価したところ,EAPモデルおよびHCPモデルにおいて疼痛様行動の有意な増加が認められた.また,前立腺の炎症についてHE染色により病理組織学的に評価したところ,EAPモデルでは前立腺の腹葉特異的な炎症が認められたのに対し,HCPモデルでは前立腺の側葉特異的な炎症が認められた.前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬であるタダラフィルが,臨床において,慢性前立腺炎患者の疼痛症状を改善することが報告されている.そこで,EAP,HCPモデルを用いて,タダラフィルの作用について検討したところ,タダラフィルの反復投与はEAPモデルの疼痛様行動の増加を有意に抑制し,前立腺腹葉の炎症も有意に抑制した.HCPモデルにおいてもタダラフィルの反復投与は,疼痛様行動の増加を有意に抑制した.以上のことから,EAP,HCPモデルは慢性前立腺炎患者の特徴である疼痛と前立腺の炎症を示すモデルであり,薬物を評価するのに有用なモデルであると考えられた.
著者
山口 浩樹 小松 真成 佐伯 裕子
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.552-555, 2018-07-20 (Released:2019-11-02)
参考文献数
13

A 69-year-old woman received a diagnosis of multiple abscesses. Abscess drainage was performed, and methicillin-susceptible Staphylococcus aureus was isolated from blood and pus cultures. On post-operative day 4, she developed proteinuria and haematuria. She also complained of abdominal pain, and areas of purpura were seen over her extremities. CT scans showed ascites and ileum wall thickening. Leukocytoclastic vasculitis was observed on skin biopsy. Findings on renal biopsy were compatible Immunoglobulin A(IgA) nephropathy, therefore we diagnosed her illness as IgA vasculitis. She recovered following administration of antibiotics and steroids. The genes encoding for staphylococcal enterotoxin E and staphylococcal toxic shock syndrome toxin-1 were detected on the pathogen. Staphylococcal enterotoxins might have been involved in the pathogenesis of IgA vasculitis. Clinicians should bear IgA vasculitis in mind if patients with S. aureus infection develop abdominal pain, urine abnormality, and purpura.
著者
梶原 浩史 山口 浩司
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.35, pp.78, 2002

豊田スタジアムは、収容人員45,000人を誇る、国際試合に対応可能な球技専用競技場である。照明設備は、大屋根に設置された222台の投光器によりFIFA(国際サッカー連盟)の基準である水平面照度1500lx以上を確保し、さらにJISのTV撮影の基準である鉛直面照度1000lx以上、均斉度0.3以上を満足している。光源には、演色性に優れる2kW高演色形メタルハライドランプ(ショートアーク形、平均演色評価数Ra90)が使用されハイビジョン放送のための要件(Ra80以上)を満足している。また、緊急時の照明として競技区域内で通常の2/3の照度を確保するため、150台の2kW投光器を瞬時再始動型とし、一瞬の電圧降下や停電によるランプの立ち消えによるパニックに対応している。