著者
伊東 正安 常田勝啓 美木 佐登志 山本 由記雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.51-58, 1981-01-15
被引用文献数
2

超音波による映像診断では生体中での超音波信号の減衰補償 および階調変換による組織の特徴表示のために信号処理が重要である.また診断に有効な画像処理が同時にできれば診断能率もよくなる.我々は診断部位や目的に応じて反射エコーの多様な信号処理ができ 内蔵したマイクロコンピュータにより簡易な画像処理および計測のできる装置を開発した.本論文はシステムの機能を中心にプログラムや得られた画像について報告するものである.本装置では 同一画面上で数種の信号処理結果が比較できるので 診断により適した信号処理が選択できる.またそれらはカセットテープに録画できるため手術前後の検討や組織変化の経時的観察に適する.ここでは診断データとして眼科での超音波探触子を扇形走査した断層像を使用した.診断像データは256×256画素 16階調として画像メモリに書き込まれる.プログラムには モニタテレピに正方形に表示される原画像を組織の走査面と相似な扇形に変換するプログラムをはじめ 拡大表示 種々のフィルタリングなどが含まれる.また診断像の組織の距離は モニタ画面上を移動できるマーカで2点を指定することにより自動的に表示・計測される.さらに複数枚の断層像を使用した体表示についても言及する.