著者
西浦 郁絵 中野 智津子 能川 ケイ 藤原 智恵子 丸山 浩枝 服部 素子 小西 真千子 井上 由紀子
出版者
神戸市看護大学短期大学部
雑誌
紀要 (ISSN:13428209)
巻号頁・発行日
no.24, pp.91-99, 2005-03

本学は少子高齢化社会の進展を背景に、神戸市立看護専門学校を前身として、1981年4月に兵庫県下初の看護学単科の公立短期大学として関学した。その後、看護大学の開学に伴い、神戸市看護大学短期大学部へと名称変更し、第2看護学科の廃止、看護学科の定員減少をへて、平成17年3月に閉学を迎えるに至った。1993年以降卒業生を対象とした動向調査は行われていない。そこで、閉学を迎えるにあたり本学で学んだ閉学時までの全卒業を対象に調査しその動向を把握し、専門職者としての自立とキャリアアップについて本学の果たした社会的役割や貢献を明らかにするために2004年の8月から9月にかけて2593名の卒業生を対象に、アンケート調査を実施した。本報ではその結果の中から有効回答数668名の卒業生の動向および就業状況について明らかにした。
著者
西浦 郁絵 能川 ケイ 服部 素子 井田 通子
出版者
神戸市看護大学短期大学部
雑誌
紀要 (ISSN:13428209)
巻号頁・発行日
no.23, pp.23-32, 2004-03

約一年間に及ぶ在宅療養の結果、家族の看取りで在宅死に至った事例から、在宅死を迎えるまでに療養者とその家族に提供された看護を振り返り、在宅ターミナルケアの諸相と看護をまとめた。安定期、終末期に適切な訪問看護の介入がなされ、死の準備教育と家族の負担軽減のためにチームアプローチが適切に行われていた。その結果、在宅療養開始時には「状態が悪化すれば病院へ」と考えていた家族が「最期を家で過ごさせたい」という気持ちへと変化し在宅での看取りを家族で行うことができた。また、死別期においてもグリーフケアが行われており、在宅ターミナルケアにおいては療養者と家族を1つの単位としてサービスを提供するため、療養者が亡くなったあとも家族を対象としたケアは継続して行われ死後のグリーフケアも重要な看護である。1事例での振り返りであるが、川越氏による在宅ターミナルケアの諸相における看護が事例においても行われており、1つの手だてとして用いることが有効であると考える。今後はさらに在宅ターミサルケアの諸相に応じた看護の意図的な実践を繰り返し、より質の高い在宅ターミナルケアの援助方法へとつなげていく必要がある。