著者
坂口 嘉之 田中 弘美 脇田 航
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

織物は、極細い短繊維から構成される糸が、経糸と緯糸として複雑に絡み合ってできているために、その見え方をCG表現することは容易ではない。織物のような複雑な構造でも、数値計算で画像化するために、新しい反射モデルの研究を行った。実験では、ミクロレベルの織り構造が見えるまで拡大したスペクトル画像を測定した。また、反射のダイレクト成分とグローバル成分を分離するためにパターン光投影も行った。実験の結果、織物の直接反射成分は、わずかに光源色を含むものの、その大部分が物体色を帯びていることがわかった。これは、光源からの光が糸の内部を通過して反射する、表面下散乱が起きているためだと考えられる。