著者
脇田 里子
出版者
同志社大学
雑誌
同志社大学留学生別科紀要 (ISSN:13469789)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.117-129, 2005-12

同志社大学では多岐にわたる留学生支援策を講じている。2004年度秋学期より留学生別科の今出川キャンパスヘの移転を機に,「留学生別科生と日本人学生の交流会」を催し始めた。交流会を開くことにした経緯と意義を示し,開催の手続き,会の実施について述べる。交流会の内容は,前半が有志学生によるスピーチやプレゼンテーションなどの発表,後半が参加者全員の交流である。各回とも交流会は盛況であったが,改善すべき点も残る。交流会の課題のひとつは,別科生の参加者数が伸び悩んでいることである。交流会に参加して楽しかった,また,交流会に参加したいと思われるように,交流内容については検討の余地がある。例えば,発表と全体交流の時間配分は,全体交流の時間をもっと確保するよう努めたい。そこで,発表内容はより気楽に楽しめるものへと変更を試みている。また,発表の機会を日本人学生にも与えて,別科生にメッセージを発信してもらうことを続けたい。さらに,国際センターラウンジの積極的な活用による日常的な交流の促進と,将来,学生主体による交流会の実施を期待したい。今後も交流会が日本人学生と別科生の交流のきっかけの一つになってほしい。
著者
脇田 里子 三谷 閑子 ワキタ リコ ミタニ シズコ Wakita Riko Mitani shizuko
出版者
同志社大学日本語・日本文化教育センター
雑誌
同志社大学日本語・日本文化研究
巻号頁・発行日
no.9, pp.59-79, 2011-03

研究論文2010年度春学期日文センターの超級レベルの「文章表現」と「口頭表現」の授業の連携をもとに、レポートと口頭発表のデータを分析、考察する。授業の連携とは「文章表現」で執筆したレポートを「口頭表現」の授業で口頭発表することである。この連携による実践の結果から、超級レベルの日本語教育においては、あるテーマを深く追究することを重視し、4技能を総合的に身につける「内容重視の言語教育」の重要性を確認する。This paper analyzes the research papers written by the high advanced level students in Writing class (Written expression VIII) and their presentation drafts in Presentation class (Oral expression A VIII) in 2010 spring semester at Center for Japanese Language and Culture. Analyzing the result of implementing the connective practice of writing and presentation classes, the authors propose that the "content-based language instruction" is significant to be emphasized at high advanced Japanese level. The reason is that learners think and learn about the target language deeply through pursuing one research theme with four language skills integrated.