著者
舘鼻 誠
出版者
日本体育大学
雑誌
日本体育大学紀要 (ISSN:02850613)
巻号頁・発行日
no.49, pp.1099-1114, 2020

石塔(宝篋印塔・五輪塔)は,その素材の特性から長く原型を保ちやすく,また重量があることから原位置に残るものが多い。このため文字で書かれた史料が少ない,あるいは皆無の地域であっても,石塔の一部が残っていれば,そこから様々なことが読み解ける。本稿は,広島県の北部に位置する安芸高田市甲田町の理窓院に残る中世後期から近世初頭にかけての石塔群を実測,分析することで,この土地の中世武士団であった宍戸氏の歴史に迫るとともに,花崗岩や石灰岩によって製作された石塔の特色や分布を明らかにする。
著者
舘鼻 誠
出版者
専修大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

安芸国の中世武士団小早川氏の領域(安芸東南部)には、中世の石塔(宝篋印塔・五輪塔)が無数に残る。本研究はこうした石塔を歴史資料として活用するため、残欠に至るまで一つひとつ調査を行い、所在位置や原位置の確認、個体数の把握、各部寸法や特徴など、今後の研究に必要な基本データを収集したものである。調査地点は6 市町・279 箇所にわたり、確認した石塔は、宝篋印塔339 基、五輪塔1042 基、一石五輪塔487 基に及ぶ。旧三原市域を除けば、初めて実施された石塔の悉皆調査であり、その意義は極めて大きい。