著者
花岡 裕都子 花岡 悟一郎 四方 順司 今井 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.323, pp.83-90, 2002-09-13
参考文献数
17

本稿においては、IDに基づく暗号系(暗号、鍵配送および署名)における秘密鍵の更新について議論を行い、特に、鍵更新を考慮した場合、IDに基づく暗号系と従来の公開鍵暗号系の通信コストはほぼ等しくなることを示す。つまり、実用的なシステムにおいては、IDに基づく暗号系の最も重要な利点が大きく損なわれることとなる。本研究においては、さらに、IDに基づく暗号系における一般的な鍵更新の手法を提案する。提案方式はいかなるIDに基づく方式に対しても適用可能であり、また、通信コストに関して最適である。基盤となるIDに基づく方式が安全であれば、鍵更新が可能となるよう提案方式を適用しても安全性は維持される。