著者
花澤 佳代 喜多 祐荘
出版者
東海大学
雑誌
東海大学健康科学部紀要 (ISSN:13474162)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.103-107, 1997

今回、精神病院に勤務する若い世代の精神医学ソーシャルワーカー(以下、PSW)を対象に、業務内容・専門職としての意識について調査を実施した。精神保健福祉士の国家資格化が図られようとしている状況の中で、国家資格に対する意識を通じPSWの専門性の意識に焦点をあてた。調査結果からは以下の点が明らかになった。1.国家資格化の実現により、PSWの社会的な身分の保証がされると考えられていること。2.PSWの国家資格化が図られることで、クライエントに対して、何らかのプラスになる援助が可能になると考えているPSWが多いこと。3.各精神病院においては運営上の格差があり、それによりPSW業務に違いが大きくあること。4.現状におけるPSW業務は、個別援助の割合が高いこと。5.PSWの専門性は知識であると考えられていて、国家資格化により社会福祉に基盤を置いた共通の専門性が生まれてくると考えているPSWが多いこと。