著者
スウィウェク・ リピゴルゴソン ノルハヤティ・ アリ 芳澤 宅實
出版者
Japanese Society of Mycotoxicology
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.95-101, 2003
被引用文献数
9

タイ,パキスタン,バングラデッシュからわが国に輸入された白米を汚染するアフラトキシン(AF)の分析を,モノクローナル抗体を用いた直接競合ELISA 法ならびにイムノアフィニティーカラムとHPLC(IAC-HPLC)法により行なった.ELISA(検出限界2.8 μg/kg)では,分析した20 検体からアフラトキシンB<sub>1</sub>(AFB<sub>1</sub>)は検出されなかった.しかし,IAC-HPLC(検出限界0.1 μg/kg)においては,20 検体中5 検体(タイ3検体,パキスタン2検体)から0.1 - 0.3 μg/kg のAFB<sub>1</sub> が検出され,またAFB<sub>1</sub> 0.3 μg/kg で汚染したパキスタン米からはAFB<sub>2</sub>(0.1 μg/kg)も認められた.輸入米のAF 汚染レベルはわが国の基準値(10 μg/kg)に比べきわめて低いレベルであったが,アジア地域の主食としてのコメのAF 汚染はヒトのAF 暴露を精確に評価する上で重要な課題である.