著者
若木 伸也 高橋 良和 澤田 純男
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.399-405, 2009 (Released:2011-04-30)
参考文献数
6
被引用文献数
1

本研究では,コンクリート円柱供試体のX線CT画像から,内部構成情報として骨材および空隙の位置·寸法に関する情報を画像処理により抽出する方法について検討する.まずはコンクリート円柱供試体のX線CT画像を撮影し,閾値処理を用いて骨材および空隙を画像から抽出した.骨材の抽出に関しては,供試体内部でのX線吸収により供試体中心付近の骨材がうまく抽出されないため,供試体表面からの距離に応じてCT値を補正し,ノイズを除去するために,改良メジアンフィルタによる処理を施した.内部構成情報抽出の妥当性を評価するため,画像から抽出された骨材の粒度曲線を推定し,実際のふるい分け試験結果との比較を行うとともに空気量の推定を行い圧力法により得られた結果との比較を行った.粒度曲線は断面によりばらつきがあるが,平均線の形状は実際のふるい分け試験結果と合致した.ただし,ふるい分け試験結果よりも全体的に粒度を小さく見積もっており,ノイズ除去の改善や画像の3次元データの利用を進める必要がある.