著者
宮坂 宗男 谷野 隆三郎 長田 光博 若木 守明
出版者
日レ医誌
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.117-127, 1991
被引用文献数
2

色素沈着性皮膚疾患に対するレーザー治療で重要なことは, レーザー光線の波長, エネルギー密度, 照射時間 (パルス幅), 治療間隔, 治療方法 (例えばレーザー照射後直ちに2回自の照射を行うような方法) 等についてそれぞれの最適条件, 治療方法の決定である。われわれは, 色素レーザー (585nm), ルビーレーザー (694.3nm), アレキサンドライトレーザー (750nm), Nd-ガラスレーザー (1060nm) を用いて有色モルモット皮膚および臨床的応用を目的とした照射を行い, 異なる波長のパルスレーザーによる影響の違いを調べた。その結果メラニン沈着性皮膚疾患に対してはルビーレーザー, アレキサンドライトレーザーが有効であり, 刺青に対しては, Nd-ガラスレーザーが有効であった。パルス幅に関する検討は, ルビーレーザーにてパルス幅0.15~2msec. までを鋤較検討した。その結果パルス幅が短くなるほど表皮基底層のメラニン顆粒沈着部の選択的破壊が見られた。エネルギー密度に関する検討において, ある閾値以上になると組織の非選択的破壊が起こり本来のレーザーの目指す選択的効果が減少することを認めた。また過去10年間にルビーレーザー治療を行い治療後6ヶ月以上経過観察できた645症例について検討した。その結果, 有効率は先天性扁平母斑45%, 後天性扁平母斑 (Becker) 94%, 母斑細胞母斑50%, 表皮母斑80%老人性色素斑59%, 脂漏性角化症69%, カフェ・オレ斑22%, 太田母斑38%, であった。母斑細胞母斑では眼瞼周囲, 手掌, 足底, 口唇部においては84%と非常に高い有効率であった。パルス幅450μsec., 15J/cm<SUP>2</SUP>では表在性色素病変に対する治療効果はパスル幅の長い従来のルビーレーザー装置に比べその治療効果は低かった。以上のことより表在性色素沈着性皮膚疾患に対するレーザー治療は, パルス幅が短く波長の短い可視領域のレーザーが適していると考えられる。深在性のメラニン沈着性皮膚疾患に対しては, パルス幅の短いルビーレーザーか, アレキサンドライトレーザーが良いと考えられる。日本人の刺青には, パルス幅の短いNd-ガラスレーザーが適していると思われる。
著者
中本 健二郎 福本 秀夫 室谷 裕志 若木 守明
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 工学部 (ISSN:05636787)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.13-18, 2005-03-31

Microlenses were formed directly on the surface of a glass plate by using a CO_2 laser. This method has the merit of enabling completely dry processing and presents a simple means of microlens fabrication. We discuss the formation process and mechanism on the basis of the characterization of irradiation parameters and the glass composition. When the surface of a glass plate is heated locally to the working point of the glass material with a focused CO_2 laser beam, a microlens is formed owing to surface tension. It was found to be possible to fabricate microlenses easily by controlling the laser power and irradiation time. The shape of the fabricated microlenses was found to be dependent on laser irradiation energy (laser power x irradiation time) and irradiated position. When a Corning 7059 glass plate was used, a convex microlens was obtained at an energy density less than approximately 100 (μJ/μm^2 ). The dynamical stress change of the microlenses was measured in situ by T-FDP (four detectors polarimeter of transmission type) type ellipsometry analysis to elucidate their formation process.