著者
若狭 雅信
出版者
埼玉大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

磁気共鳴(磁場+マイクロ波)を用いた同位体濃縮を実現するためには,選択的スピン緩和と反応ダイナミクスの制御が必要不可欠である。本研究では,ミセル中での励起三重項ベンゾフェノンの反応などを取りあげ,生成物収量に対する磁場効果を調べた。生成物の収量に大きな(21%増加)磁場効果を観測した。そこで,共鳴パルスマイクロ波を照射して,選択的同位体濃縮に挑戦した。エレクトロスプレーイオン化飛行時間質量分析計(ESI-TOF-MS)を用いて,生成物中の同位体比測定を行なったところ,炭素-13の同位体濃縮が確認できた。しかし,観測された同位体濃縮は小さく,その原因として緩和機構が考えられた。
著者
若狭 雅信 小林 佑輔 岡野 光俊
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.271-275, 2006-08-25 (Released:2011-02-17)
参考文献数
20

半導体光触媒である酸化チタン (TiO2) 薄膜による, メチレンブルー (MB) の光触媒分解反応に対する磁場効果を0-1.5 Tの磁場下で研究した. MB水溶液中で酸化チタン薄膜に光照射すると, 光触媒反応により, MBが分解され, N-メチル基が脱メチル化したAzure AおよびAzure Bが得られた. MBの分解量を紫外可視吸収スペクトルにより定量した.OTと1.5Tの磁場下では, 1.5Tのほうが, 約7%分解量が増加した. 磁場効果のメカニズムとしては, Δg機構によりTiO2薄膜中の電子-正孔対の寿命が延びたものと考えられる.