著者
坂井田 節 横山 義彦 塩谷 栗夫 茶薗 明
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.333-336, 1984

消毒液の噴霧が夏季の鶏舎内温度,湿度の推移,鶏の飲水量,排泄鶏糞中の水分含量におよぼす影響を調査し,夏季における防暑対策としての効果を検討した。1棟3,360羽収容のウインドウレスケージ鶏舎2棟を用い,対照区は消毒液の噴霧を実施せず,処理区は毎日午後1時に180秒間の噴霧を実施した。<br>(1)晴天の日180秒間の噴霧によって鶏舎内温度は,32.6°Cから28.0°Cに低下し対照区に比べて4.6°C低下し,2時間後においても対照区より0.6°C低かった。一方湿度は一時的に63%から90%に上昇し,対照区に比べ27%高くなったが,15分後には73%に低下し対照区と比べて11%高かった。2時間後には3%の差となった。<br>(2)噴霧による鶏舎内温度の低下にともなって,処理区の飲水量は1日1羽当り186m<i>l</i>となり,対照区の215m<i>l</i>を29m<i>l</i>下回り,5%水準で有意差が認められた。<br>(3)糞中水分含量は対照区80.6%,処理区79.0%となり,処理区が1.6%低下し,1%水準で有意差が認められた。