- 著者
-
草野 成夫
井樋 昭宏
桑原 実
- 出版者
- The Association for Plant Protection of Kyushu
- 雑誌
- 九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, pp.25-29, 2005
温州ミカン「原口早生」の一般栽培圃場からカンキツエクソコーティスウイロイド(CEVd)による被害に類似した症状を呈した樹を多数発見し,検定植物エトログシトロンやRT-PCRによる検定を行ったところ,CEVd以外の4種類のカンキツウイロイド(CVd)を種々の組み合わせで2種類以上保毒していることが明らかとなった。カンキツ樹体の調査では,カラタチ台木部の症状が激しいほど樹冠容積や幹周の減少が顕著であった。<BR>また,CVd保毒が樹体に及ぼす影響を調査したところ,保毒ウイロイド数が多いほど台木部の病徴が激しい傾向が認められた。なお,カラタチ台木部の剥皮等の病徴発現には,ホップ矮化ウイロイド(HSVd)とCVd-IIIの複合感染による影響が大きく,これにCVd-OS,CVd-1-LSSが単独または複合感染することによって発現程度がさらに激しくなる可能性が考えられた。