著者
荒 敬 有馬 学 我部 政明 小池 聖一 季武 嘉也 福永 文夫
出版者
長野県短期大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

本研究計画では、「占領期都道府県軍政資料」(MG資料)を収集・公開し、その資料を効果的に利用できる状況をつくることを第1の目標とした。基本作業は、収集資料を(1)地方別・府県別、(2)時系列(その大部は「月例報告(月報)」)に整理・目録化し、(3)さらに政治・経済・教育などの項目ごとに「概要」を作成することである。(1)平成14年度〜16年度にかけて、米国国立公文書館でMG資料を計4回にわたって、基本資料約3万5000枚、関連資料3000枚を収集した。(2)全体会議(ブロック合同会議も含む)は、14年度は3回、15年度は2回、16年度は2回、17年度は1回の計8回開催した。またブロック研究会は、14年度が2回、15年度が6回、16年度は3回の計9回開催した。なお、研究協力者は、分担者を除いて最大時約46名で資料整理と解読、「概要」作成にあたった。(3)資料「コピー」の1セットを国立国会図書館現代資料室に17年度に寄贈した(確認・国立国会図書館主題情報部政治史料課大島康作氏発10月18日付メール「寄贈資料12箱分を昨日受領」)(4)「概要」は県により精粗があるが、「概要」だけで「A4版」2000頁と膨大な量となった。このため、最小限に縮小した。また資料収集の際の「目録」と報告書の「解説」を加えると1500頁以上となった。報告書が大部となるため、詳細目録・概要の掲載を3分の2程度とし、全てをCD-ROMに収録した。(5)研究協力者の大半がMG資料の読解に不慣れのため、地方占領組織、資料読解法、「概要」の様式と統一表記法などについて研究会で学び、また主要な訳語についても検討した。当該研究のための研究者養成の意味も果たした。また本研究計画は、MG資料を公開し、効果的に利用できるようにすることで、占領資料を用いた本格的な地方史・地域史研究を進めるための資料的な基盤整備となり、占領史研究を全体として新たな発展段階へと底上げすることに寄与するであろう。