著者
伊藤 隆 御厨 貴 季武 嘉也 有馬 学 武田 知己 小池 聖一 梶田 明宏
出版者
政策研究大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

近代日本史料情報の収集、整理、公開及び将来期待される史料情報機関への提言作成を目的として以下のような研究成果をあげた。1、史料収集ア)ヒアリング調査。史料所在に詳しい研究者を合計19名招聘し、ヒアリングを実施した。イ)史料所在調査。史料所在情報を収集するため、12回の出張を行った。さらにさまざまな史料目録類を収集した。また、中央官公庁に対し精力的に所蔵史料の問い合わせを行った。2、史料整理多くの研究協力者に手伝ってもらって、収集した史料群約20文書の整理を行った。その一部は既に目録を活字化したが、全体の量は膨大であったので残念ながら作業は完結せず、今後も整理を続行する予定である。3、ホームページの充実以前より開設しているホームページ(http//:kins.grips.ac.jp)に情報を追加するなど、その充実をはかった。また、他機関が行っているインターネット上での史料情報公開に関して考察を加え、その問題点等を探った。5、新機関への提言我々は会合の都度、どのような史料情報集約機関が望ましいのか、情報を交換し話し合ってきた。以上、詳細については研究成果報告書に譲るが、そのほかに本研究の成果を中心として『近代日本人物史料情報辞典』(仮題)という刊行本を出版する予定である。
著者
有馬 学
出版者
日本女子大学
雑誌
史艸 (ISSN:02883066)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.136-161, 2011-11-30
著者
松原 孝俊 有馬 学 松野 陽一 中野 三敏 入口 敦志
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

2年間にわたる台湾大学総図書館所蔵日本語古典籍に対する書誌的調査を終えたが、同館所蔵・旧台北帝国大学所蔵本の総数は、約2万2百冊であると判明した。但し台湾大学の諸事情から、残念ながら漢籍の和刻本は未調査である。この漢籍和刻本も含めると、推計2万2千冊の所蔵量であるまいか。本研究プロジェクトは約2万2百冊の書誌的データの収納に努め、その棒目録を作成した。もっともこれら2万2百冊の残置本は、高温多湿な機構の中で放置されたので、破損や劣化が進み、早急な保存策を講ずる必要がある。本研究プロジェクトの進展の中で、台湾所存の日本語資料を研究調査対象としてきた各研究プロジェクトとの橋渡し役を果たし、各プロジェクト間のネットワークが構築できた。日本史・台湾史・日本文学・琉球史・東アジア文化交流史などの専門家による総合データベース作成の機運も生じ、実現の一歩を進めた。
著者
荒 敬 有馬 学 我部 政明 小池 聖一 季武 嘉也 福永 文夫
出版者
長野県短期大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

本研究計画では、「占領期都道府県軍政資料」(MG資料)を収集・公開し、その資料を効果的に利用できる状況をつくることを第1の目標とした。基本作業は、収集資料を(1)地方別・府県別、(2)時系列(その大部は「月例報告(月報)」)に整理・目録化し、(3)さらに政治・経済・教育などの項目ごとに「概要」を作成することである。(1)平成14年度〜16年度にかけて、米国国立公文書館でMG資料を計4回にわたって、基本資料約3万5000枚、関連資料3000枚を収集した。(2)全体会議(ブロック合同会議も含む)は、14年度は3回、15年度は2回、16年度は2回、17年度は1回の計8回開催した。またブロック研究会は、14年度が2回、15年度が6回、16年度は3回の計9回開催した。なお、研究協力者は、分担者を除いて最大時約46名で資料整理と解読、「概要」作成にあたった。(3)資料「コピー」の1セットを国立国会図書館現代資料室に17年度に寄贈した(確認・国立国会図書館主題情報部政治史料課大島康作氏発10月18日付メール「寄贈資料12箱分を昨日受領」)(4)「概要」は県により精粗があるが、「概要」だけで「A4版」2000頁と膨大な量となった。このため、最小限に縮小した。また資料収集の際の「目録」と報告書の「解説」を加えると1500頁以上となった。報告書が大部となるため、詳細目録・概要の掲載を3分の2程度とし、全てをCD-ROMに収録した。(5)研究協力者の大半がMG資料の読解に不慣れのため、地方占領組織、資料読解法、「概要」の様式と統一表記法などについて研究会で学び、また主要な訳語についても検討した。当該研究のための研究者養成の意味も果たした。また本研究計画は、MG資料を公開し、効果的に利用できるようにすることで、占領資料を用いた本格的な地方史・地域史研究を進めるための資料的な基盤整備となり、占領史研究を全体として新たな発展段階へと底上げすることに寄与するであろう。
著者
有馬 学 季武 嘉也 中村 尚史 日比野 利信 永島 広紀 一ノ瀬 俊也
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は北九州地域の都市を主たる対象に、近代日本の都市化・工業化における地方都市の位置と機能を明らかにすることを目的とする。本研究の鍵となる史料は、今回初めて利用可能になった安川敬一郎の日記をはじめとする関係史料(北九州自然史歴史博物館蔵、以下「安川文書」と略)である。本研究では第一に、「安川文書」の整理を同博物館と協力して行い、その史料情報をデータベース化して活用できるようにした。「安川文書」の活用は、地方財閥の代表的な存在であった安川財閥の企業活動を詳細に明らかにするのみならず、企業、政党、行政、社会運動等の都市主体の動向と相互関係(対抗・競合・協調)を検証し、それによって近代日本の地方都市史研究に新たな地平を開くことを可能にすると思われる。「安川文書」の主要な内容は、(1)安川敬一郎日記、(2)安川家の経営実態を示す帳簿類をはじめとする経営史料、(3)安川宛の書簡および安川の書簡草稿、(4)安川の膨大な意見書類である。本研究ではこれらの分析によって、安川の経済活動のみならず、それと結びついた政治活動、および政治・経済活動を結び付ける独特の国家観、国際情勢認識を明らかにすることができた。帳簿類の検討からは、安川家と松本家の事業上の関係(組織構造)や安川家の投資行動(資産運用のあり方)の実態が解明された。それによれば、安川家は日清戦争時の石炭ブームで得た利益を、鉱区の拡大と鉄道投資に投下し、事業多角化を実現した。また、安川敬一郎日記、書簡、意見書等を、的野半助関係文書、永江純一関係文書、新聞史料などと付き合わせることによって、これまでほとんど言及されなかった安川の政治活動の詳細が初めて明らかになった。衆議院選挙における安川の活動の舞台は北九州ではなく福岡市であり、そこでは安川は政友会系と玄洋社系双方の支持を調達できる立場にあった。安川は中央政界にも人脈をもち、第二次大隈内閣期に立憲同志会と政友会を牽制する第三勢力の形勢をはかったが、その意図は挙国一致による日中関係の安定化と、そのもとでの中国への資本進出にあった。

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著者
布川 弘 曽田 三郎 金子 肇 石田 雅春 小野寺 史郎 笹川 裕史 有馬 学 丸田 孝志 三品 英憲 小林 啓治 勝部 眞人 小池 聖一
出版者
広島中国近代史研究会
雑誌
拓蹊 (ISSN:21868387)
巻号頁・発行日
no.1, pp.39-52, 2012-03-24

シンポジウム : 20世紀東アジアの立憲制―辛亥革命と大正政変
著者
原 暉之 有馬 学 中見 立夫 酒井 哲哉
出版者
北海道大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1994

黒木親慶(1883-1934)は宮崎県出身の陸軍軍人(陸士卒業第16期)で、第一次大戦中ロシア従軍武官を勤め、ロシア革命を現地で観察したのち、シベリア出兵に際して親日派・反革命派の軍人アタマン・セミョーノフの軍事顧間として活動するなど、ロシア通の参謀将校として活躍した。また、ロシア・シベリアで荒木貞夫(9期、のち睦相、文相)と行動をともにしたことから、1920年に帰国したのちも荒木との関係は密接であり、昭和期には荒本に連なる皇道派人脈の中で重きをなした。本研究は、これまで学術調査の対象となったことはなく、ほとんど手つかずのままに残されてきた黒木親慶文書(宮崎県立図書館所蔵)に対し、学際的・総合的なアプローチを研究する試みるとして企画されたが、現地調査を含む研究活動の結果、ロシア極東近現代史、日本近代政治史、東アジア国際政治史の各分野において多くの知見を得ることができた。とりわけ、ロシア極東近現代史の分野では、アタマン・セミョーノフの思想と行動の未解明部分が判ってきたし、日本近代政治史の分野では皇道派人脈について、また東アジア国際政治史の分野ではモンゴルをめぐる国際環境について、従来の研究とは異なる角度から光が当てられることになった。