著者
荒木 尚志 池田 悠 富永 晃一 山川 隆一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

非正規雇用の中核を占める有期雇用に関して、まず、欧州の規制アプローチとアメリカの市場調整アプローチという対照的政策の存在を明らかにした。次に、欧州の規制アプローチを、締結事由規制、濫用規制、不利益取扱い禁止規制に整理し、締結事由規制から濫用規制へという規制比重の変化を明らかにし、ここから重要な教訓を得るべきことを主張した。2012年には、濫用規制を中心とする労働契約法改正が実現したため、新設条文および有期労働契約法理における基本概念について解釈論的検討も行った。有期労働・パート労働・派遣労働についての規制の相互関係や、雇用形態差別として議論されている課題についても検討を深めた。