著者
荒木 峻 岸本 賢一 安盛 善一
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.8, no.11, pp.699-703, 1959
被引用文献数
1

ガスクロマトグラフのカラムの温度をあらかじめ設定された温度上昇曲線にしたがって上昇させると,広範囲の保持時間を持つ混合試料のクロマトグラムを迅速に1回の操作で分離記録することができる.カラムは熱容量が小さく槽内温度が迅速に均一になる熱板型昇温槽に取りつけ,サーミスターを温度検出器として電子管回路でコントロールヒーターの電力を制御する.温度設定用可変抵抗をモーターで変化させ希望の直線状の温度上昇を得た.カラムの温度上昇にともなうクロマトグラムの基線の移動は,熱伝導セルをほかの恒温槽に収めて一定温度に保ち,またキャリヤーガス流路に並列流を採用して対照側流路にもカラムを挿入することによって50μV/40min程度におさえることができた.都市ガスおよび石油ペンジンの活性炭および流動パラフィンカラムによる分離は従来の一定温度の分離に比して,優れた結果が得られた.
著者
保母 敏行 山田 正昭 鈴木 喬繁 荒木 峻 下山 晃 PONNAMPERUMA Cyril
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.T71-T76, 1981-06-05

アミノ酸光学異性体の同定を信頼性高く行う方法として固定相が互いに光学異性体である2本のカラムを用いる方法について検討した.まず,固定相としてN-ラウロイル-D-バリン-Z-ブチルアミドあるいはN-ラウロイル-L-バリン-t-ブチルアミドをウィスカーウォール型毛管に塗布したカラムを作り,各種アミノ酸の保持指標とその再現性,D体とL体の分離係数などを調べた.更に,両カラムを使い,両固定相の光学活性度決定及び抗生物質グラミシジンJを構成する一部アミノ酸のキラリティー決定を試みた.キラリティーの異なる2本のカラムを使用することの有効性が確かめられた.