著者
保母 敏行 山田 正昭 鈴木 喬繁 荒木 峻 下山 晃 PONNAMPERUMA Cyril
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.T71-T76, 1981-06-05

アミノ酸光学異性体の同定を信頼性高く行う方法として固定相が互いに光学異性体である2本のカラムを用いる方法について検討した.まず,固定相としてN-ラウロイル-D-バリン-Z-ブチルアミドあるいはN-ラウロイル-L-バリン-t-ブチルアミドをウィスカーウォール型毛管に塗布したカラムを作り,各種アミノ酸の保持指標とその再現性,D体とL体の分離係数などを調べた.更に,両カラムを使い,両固定相の光学活性度決定及び抗生物質グラミシジンJを構成する一部アミノ酸のキラリティー決定を試みた.キラリティーの異なる2本のカラムを使用することの有効性が確かめられた.
著者
石井 幹太 山田 正昭 鈴木 繁喬
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.373-378, 1986-04-05
被引用文献数
17 17

化学発光法を利用する銅(II)のサブピコグラムレベルの超微量分析法を確立した.化学発光系には銅(II)に極めて特異性の高い1,10-フェナントロリン-過酸化水素-水酸化ナトリウム-ヘキサデシルエチルジメチルアンモニウムブロミドミセル系を選び,フローインジェクション系に組み込んだ.化学発光反応は陽イオン界面活性剤ミセル溶液中で著しく促進される.応答は20μl注入の場合8.0×10^<-14>〜2.0×10^<-9>g,キャリヤー液として連続的に試料を流す場合(導入速度5.0ml min^<-1>)1.6×10^<-13>〜1.0×10^<-9>Mの間で直線を示した.選択性は極めて高く,銅(II)の次に最も大きな化学発光応答を与えるのは鉛(II)であるが,銅(II)に対する相対モル応答は約3/10000で無視できるほど小さい.他成分の干渉も無視できた.繰り返し精度は良く,4.0×10^<-10>M銅(II)溶液連続10回注入の相対標準偏差は1.7%であった.試料処理速度は毎時180試料であった.
著者
下野 洋 市川 智史 梅埜 国夫 小椋 郁夫 恩藤 知典 河原 富夫 小島 繁男 小林 道正 五島 政一 佐藤 俊一 猿田 祐嗣 下畑 五夫 浜中 正男 藤田 郁男 松田 義章 三宅 征夫 山下 浩之 山田 正昭 渡辺 享
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.315-316, 1995

理科の野外学習指導法の体系化を図るために、野外学習の有効性、必要性、児童・生徒の環境認識の実態、野外学習の目標、カリキュラム上の位置付け、野外学習の指導の型、観察対象の類型化、野外学習の指導法などについての検討を行った中間報告である。
著者
保母 敏行 山田 正昭
出版者
東京都立大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

フェニルアセトアルデヒド(PAA)とアミノ酸とを反応させてシッフ塩基を得、これとフェントン試薬とを反応させる際に発生する光を測定するアミノ酸の化学発光定量系を開発した。又、反応場としての逆ミセル溶液の有効性を2つの化学発光系で確認した。まず、シッフ塩基生成において、均一溶液系および不均一溶液系で行わせ、種々の酸化剤を添加し、観察される化学発光について検討した。その結果、シッフ塩基生成はAOT逆ミセル溶液中で著しく加速されることがわかった。又、酸化剤にはフェントン試薬を用いた場合、最も強い化学発光応答を得た。AOT逆ミセルでのシッフ塩基生成速度はミセルサイズが小さくなるに従い大きくなる事が分った。アミノ酸のフローインジェクション化学発光定量法を確立した。定量下限1pmol〜100pmolという結果を得た。又、HPLC用検出系とする試みも行った。すなわち、ODSマイクロカラムを使い、アミノ酸を分離したのち、逆ミセル溶液を混合し、テフロン製反応管中でシッフ塩基を形成させる。続いてメタノールとフェントン試薬を混合、発光検出する系を開発した。チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびヒスチジンの定量下限それぞれ14、1、34および62pmolという結果を得た。さらに、化学発光反応系における逆ミセルの有効性を示す例としてシュウ酸ジエステル化学発光系を見出した。2,4,6-(トリクロロフェニル)オキザレートは過酸化水素との反応でジオキセタンを生成し、ケイ光物質の存在で強く化学発光する。逆ミセル利用により、シュウ酸ジエステルが水に難溶で、しかも加水分解されるという問題点を解決できた。また、アセトニトリル溶媒中で発光させる場合と比較し、10倍以上の感度向上を見た。提案した手法で過酸化水素定量が行える事を確認するとともに反応機構に関する理論的考察も行った。