著者
荒生 弘史
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.249-255, 2010-03-31 (Released:2016-12-01)

If time-marking events constitute a temporal pattern as in music, they are often perceived as being played at a particular tempo, lending a sense of "rhythm keeping." The present study examined how actual event timing in drum phrases would affect the formation of this impression. A sense of rhythm keeping was derived even with physically non-isochronous patterns if some beats were subdivided by markers. This tolerance for timing deviations varied along the base tempo of the phrases, being only partially consistent with the prediction from the conventional illusion of a divided time interval. These results were discussed in terms of the processing of time intervals and sequences of them.
著者
荒生 弘史 平尾 沙央里 諏訪園 秀吾 岩城 達也
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第10回大会
巻号頁・発行日
pp.72, 2012 (Released:2012-07-20)

相手の名前を呼ぶことは、相手の注意を引きつける働きを持つほか、感情的な意図を呼びかけに込めるなど、社会的関わりにおいて重要な役割を果たす。とりわけその感情伝達においては、伝達先(名前)の情報が同時に示されるという際立った特徴を持つ。本研究では、非注意の聴覚刺激として呈示される名前および同時に込められた感情に対する自動的反応について、事象関連電位を指標として検討した。実験参加者は、実験中、ビデオゲーム(音響効果なしのテトリス)に集中し、聴覚刺激は無視するよう教示された。事象関連電位のデータは、無視された名前刺激に対しても、200~300msの潜時において自他名の区別がなされていることを示した。さらにその後の潜時帯において、自己名において大きな感情効果が生じた。呼びかけにおける感情情報の独自性と、自他名の区別と感情の時系列処理に関して考察した。