著者
荘 発盛
出版者
尚美学園大学総合政策学部総合政策学会
雑誌
尚美学園大学総合政策論集 (ISSN:13497049)
巻号頁・発行日
no.27, pp.95-103, 2018-12

蔡英文の政権樹立直後、「新南向政策」が打ち出され、東南アジアまたはアセアンとの経済連携及び貿易関係の強化を推進している。その結果として、対中国貿易の依存度は低下することは容易に想像される。しかし、これは直ちに「脱対中国貿易依存」とみるべきかどうか。蔡英文政権では、中国の「一帯一路」などとは代替的なものではなくて、むしろ「補完的な役割」を果たすことになると主張している。一方、20数年前の李登輝時代において「南向政策」が推進されていたが、当時の台湾を取り巻く国際環境はすでに大きく変わり、その点も注目しつつ、「新南向政策」の成功の道について考察するのが本論文の目的である。
著者
荘 発盛
出版者
尚美学園大学スポーツマネジメント学部
雑誌
尚美学園大学スポーツマネジメント研究紀要 = Bulletin of sport management, Shobi University (ISSN:24358231)
巻号頁・発行日
no.1, pp.23-38, 2020-12-25

本論文は、まずスポーツマネジメントの定義と概念について整理し、そしてスポーツという活動の特性を見出し、経済学がスポーツマネジメントにおいてどのような役割を果たせるかについて考察する。また、スポーツそのものよりも、スポーツのマネジメントは経済学とどのような関係にあるか、そこに着眼点をおいている。そのため、本論文の考察は、この点においてスポーツ経済学と区別している。本論文が注目したのは、スポーツの持ついくつかの特性である。例えば、スポーツが正の外部効果をもたらす性質をはじめ、そして考え方によって、例えば文化面または精神面を考慮すると、公共財的な性質も持つという点である。また、スポーツは限界効用逓増の性質も持っていることに着目し、経済学の原理をスポーツマネジメントに適用するときにどのような注意点があるかを本論において示唆された。一方、消費者側の限界効用逓増だけではなくて、スポーツ業界においては、企業側の収穫逓増、そして平均費用逓減の点についても考察する。その点において、経済学が示唆したように、市場原理に任せるとスポーツの活動水準が最適にならないことが知られているが、スポーツマネジメントの必要性と正当性は経済学によって裏付けられていることを示唆している。また、平均費用の逓減によりスポーツ事業を運営している企業の独占により、他のスポーツの普及の阻害になっていることも指摘し、スポーツマネジメントの重要さも経済学によって説明できることを示した。