- 著者
-
荻野 和子
- 出版者
- 東北大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 1997
1. 高校化学のマイクロ及びスモールスケール実験教材の開発次の(1)〜(4)のテーマについて,培養用のマイクロプレートを使う実験を開発し,実践した。(1) 酸化還元反応についての実験教材の開発:さまざまな酸化剤,還元剤の反応のようすを明確に示す教材を開発した。(2) 電池と電気分解:特別な装置も使わず,失敗なく短時間でいろいろな電気分解や電池について実験できる方法を工夫した。(3) 無機イオンの定性分析についての実験教材の開発:いろいろな金属イオンの性質をプレートを使って示し,未知試料の定性分析に応用する実験を開発した。(4) アルコールの実験:ポリスチレン製の器具で実験できる,アルコール類についての実験を開発した。本研究代表者らによる一連のスモールスケール実験教材は平成9年度東レ理科教育賞佳作賞を受賞した。2. 大学一般化学のマイクロスケールの実験教材の開発スピロピランのフォトクロミズムを利用した反応速度についてのマイクロスケール実験等を開発した3. 高校化学におけるスモールならびにマイクロスケール実験の実施面および普及に関する研究我々が開発したスモールスケール実験教材を,東北各県および栃木県のいくつかの高校の化学担当教師に依頼し,授業として実施した。その際,試薬,器具をキット化し,生徒用ワークシートとともに配布した。また,教師ならびに生徒を対象にアンケートを行った。アンケートは,のべ9校14名の教師,840名の生徒から回収された。実施したテーマは,(1)金属イオンの性質,(2)化学平衡の実験,(3)中和滴定ならびに(4)電気分解の実験である。その結果,(1)生徒の積極的な取り組み,(2)実験準備,指導,片付けにかかる教師の負担の軽減.(3)廃液の減量,(4)短時間で実施できる等高い評価が得られた。