著者
菅原 信二 真山 悟
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.22-34, 1991-06-01 (Released:2013-04-26)

橋りょうとトンネルを主体とした二重ループは, 高低差170mの急峻な地形を克服するため計画された全国でも数少ない構造・形式となっている。このため, 設計・施工にあたっては, PC曲線橋 (Rmin=120m) 片持ち架設工法・NATMによる斜め深礎ぐいなど, わが国で他に例のない形式・工法を採用するとともに, 橋脚の横ばりを施工するRöRoパイプ支保工, トラスドアーチ橋を架設するタイバック式カンチレバー工法, 作業用の吊り足場としてPCT足場, 床版工事ではI形鋼格子床版, など種々の特殊な工法や新技術を導入し活用したものである。本稿は, この二重ループ構造の計画およびこれらの工法を採用した主な橋りょうの施工について概要を紹介する。