著者
上岡 裕美子 吉野 貴子 菅谷 公美子 大橋 ゆかり 飯島 節
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.239-247, 2006 (Released:2006-09-22)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

29組の脳卒中後遺症者(患者)と担当理学療法士(PT)を対象に,それぞれが認識している理学療法目標の相違を,発症からの時期別に検討した。その結果,患者は回復期後期群では運動機能改善を目標と認識していた。維持期群は歩行・運動機能の改善と認識する者と,現状維持と認識する者の両方が認められた。一方,PTは回復期後期の患者に対して社会的役割取得および歩行改善を,維持期の患者に対しては運動機能・活動の維持および社会参加の促進を目標と認識していることが示された。いずれの時期においてもそれぞれ患者とPTが認識している目標には相違が認められ,今後,両者が確実に目標を共有するための目標設定方法について検討することが必要であると考えられた。