著者
菅谷 愛子 大口 広美 津田 整
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.472-477, 1996
被引用文献数
5

秋期に飛散するスギ花粉の意義を明らかにするために, 1987年から1995年にわたる通年のスギ飛散花粉を測定し, 秋期(10月〜12月)のスギ飛散花粉数と春期(1月〜5月)の飛散数との関係, および秋期のスギ花粉症発症について検討した. 1. 秋期のスギ花粉数は, その年の春期のスギ花粉数に相関性はなく, 翌年の春期の飛散総数との間に相関係数r=0.877で相関性が認められた. 従って秋のスギ飛散花粉は, 春の花粉の再飛散ではなく, 秋に新しく開花し, 飛散した花粉であるといえる. 2. 11月のスギ飛散花粉数は, 翌年春のスギ花粉飛散数との間に相関係数r=0.909と高い相関性が認められた. 11月の飛散花粉数から翌年スギ花粉飛散の多少が推定できると考える. 3. 秋のスギ花粉飛散期間中にスギ花粉飛散数に対応した花粉症が認められた.
著者
保田 和美 菅谷 愛子 津田 整 佐々木 好久 永沼 正道 内村 久美子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.409-414, 1986
被引用文献数
7

埼玉県坂戸市におけるスギおよびヒノキ花粉の飛散状態をDurham型花粉補集器を用い1981年から1985年の5年間調査し, スギ花粉症患者との相関および気象条件との相関について検討した.1.ヒノキ花粉は3月下旬から4月上旬のスギ花粉飛散期の終り頃にoverlapして飛び始める.1985年にはスギ花粉数(4122)の約2倍(8862)のヒノキ花粉が観察された.2.スギ花粉症患者数は, スギ花粉のみよりも, スギとヒノキの合計花粉数により高い相関関係がみられた.このことから, スギ花粉飛散数の予想のみでなく, ヒノキ花粉飛散の予想も行う必要があると思われる.3.スギ花粉の飛散総数は, 前年の7月11日から8月10日までの平均湿度および日照時間に有意な相関がみられた.しかし, ヒノキ花粉は前年の7月および8月の平均気温と日照時間, さらに当年の2月と3月の日照時間との相関がみられた.
著者
久内 清孝 菅谷 愛子
出版者
日本生薬学会
雑誌
生薬学雑誌
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.83-86, 1971

The anonymous chinese crude drug used in Formosa as a folk remedy of poliomyelites was studied. The Original plant of this drug was identified to be Adenosma glutinosum (L.) DRUCE belonging to Scrophulariaceae after comparative study with herbarium specimens. The etymology of vernacular nomenclature is also discussed.