著者
菊田 怜子 牟田 博光
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.177-185, 2001-12-20

国際化が急速に進む中,小学校においても,2002年度から外国語会話を教えることが可能になった.このことより,英会話活動を行う公立小学校が増加するものと予想される.そこで,本論文では,公立小学校での英会話活動の効果を高める要因を明らかにすることを目的とする.英会話活動に携わっている公立小学校の学級担任を対象として,郵送による質問紙調査を行い,共分散構造分析を行った.その結果,教師とALT(英語指導助手)の指導上の相互理解はALTの指導行動に影響を与え,児童にALTへの親近感を持たせる指導行動が,英会話活動の効果を高めることが示された.さらに,ALTが児童に英語を多く聞かせる指導行動は,児童の英会話活動への楽しさやコミュニケーション態度の育成を抑制することが明らかになった.