著者
華園 聰麿
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.915-946, ii, 2005-03-30

日本における宗教研究の百年の歩みを、比較宗教学および宗教現象学の分野に限って見る場合、欧米の研究に触発されて、その基本的な概念や方法を吸収し、応用してきたというのが、大筋の展開である。研究の内容では、学説や概念並びに方法などに関する理論的研究や批評が目立ち、比較研究においては、研究の環境あるいは条件の特殊性にも制約されて、分類論や類型論を目指すものよりも、宗教現象に着目した比較研究に特色が認められる。このことは宗教現象学の分野においても同様で、豊富な宗教史の資料をもとに宗教の普遍的理解を追究するよりも、個別の宗教現象の意味や構造を解明する研究に独自のものが見られた。
著者
華園 聰麿
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.915-946,ii, 2005-03-30 (Released:2017-07-14)

日本における宗教研究の百年の歩みを、比較宗教学および宗教現象学の分野に限って見る場合、欧米の研究に触発されて、その基本的な概念や方法を吸収し、応用してきたというのが、大筋の展開である。研究の内容では、学説や概念並びに方法などに関する理論的研究や批評が目立ち、比較研究においては、研究の環境あるいは条件の特殊性にも制約されて、分類論や類型論を目指すものよりも、宗教現象に着目した比較研究に特色が認められる。このことは宗教現象学の分野においても同様で、豊富な宗教史の資料をもとに宗教の普遍的理解を追究するよりも、個別の宗教現象の意味や構造を解明する研究に独自のものが見られた。