著者
白井 淳資 松村 栄治 萩原 信子
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.233-239, 2008-03-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
21
被引用文献数
1

超微細高密度オゾン水を用いて, エンベロープを有する4種類のウイルスおよび口蹄疫ウイルス (FMDV) と豚水胞病ウイルス (SVDV) に対する殺ウイルス効果を調べた. 本オゾン水は完全な効果を示すために最低100ml (4mg/l) を要したが, 混合直後に殺ウイルス効果を示した. エンベロープを有するウイルスおよびFMDVに対しては1mg/lのオゾン濃度で効果を示したが, SVDVに対しては3mg/lを要し, 有機物を混入した材料ではさらに1mg/l高い濃度4mg/lが必要であった. 生成後室温に開栓状態で放置したオゾン水はエンベロープを有するウイルスおよびFMDVに対し生成60分後でも効果を示したが, SVDVには効果が減弱した. このように本オゾン水は低濃度で即効性があるので, ウイルスの消毒に有効に利用できると思われる.
著者
森田 重充 横山 洋 大島 幹雄 小野沢 康弘 萩原 信子
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集 2012年秋の大会
巻号頁・発行日
pp.730, 2012 (Released:2013-07-03)

セシウムを様々な構造物から剥離・溶解させる薬剤として,酸化力が極めて強いオゾンに着目した。しかし,一般的なオゾン水には生成後すぐに脱気,分解してしまう。そこで,本研究ではオゾンを水クラスタの間に高密度に分散させた超微細気泡含有高濃度オゾン水を生成して除染に使用した。このオゾン水は,濃度が数十ppmと高く,貯留できるという特異な性質を持つ。したがって,オゾンが有する強力な酸化力により,様々な対象物とセシウムとの結合を切断し,剥離・溶出させることが可能である。本技術は,以下に示すとおり除染技術として具備すべき優れた特徴を有する。①    森林など原位置で処理できる②    高圧洗浄で除染できないコンクリートやアスファルトも除染できる③    作業が単純で簡単に除染できる④    散水するだけなのでスループットが高い⑤    低圧で散水することから構造物を壊す可能性が低いなお,本研究は内閣府除染技術実証試験事業の助成を受けて実施した。