著者
萩原 弘子
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

戦後の移民政策の結果、多民族国家となったイギリスで、既存の美術機構から周縁化されてきたブラック・アーティストに注目し、1980~90年代の「ブラック・アート運動」と呼ばれる動きとその後の推移を分析・考察することで、表象文化と視線をめぐるポリティクスを研究した。それにより、視覚表象文化が規範や社会関係(移民、人種等)の構築・解体の行なわれる現場であること、現代世界における移動の行為が表象文化形成にとって重要な意味をもつことを示した。